2023年4月21日(金)、立山ロープウェイと立山高原バスを乗り継いで、立山黒部アルペンルートの中間点・室堂(むろどう)に到着しました。
今夜の宿はみくりが池温泉です。
雪原に響くカエルの声? 低音ボイスの正体は?
今回の宿は相部屋になり、男女別に部屋が分かれているため、部屋の中で家族3人が談笑することができません。
気兼ねなく話ができる外のテラス席で過ごしていると、何やらカエルの鳴くような低い声が何度も聞こえました。この雪でカエルはあり得ない。他に鳴く動物って??
まさか、雷鳥???
周囲もざわざわしています。そして近くにいた人が、雷鳥がいる!と教えてくれました。なんと、私たちのテラス席の下近くに、雷鳥がいたのです。雌だと教えてもらいました。
撮影技術もカメラもいまいちで、おまけに見事な保護色なので、写真ではわかりづらいかもしれませんが、確かに雷鳥です。トコトコと雪の斜面を登っていきます。絶対飛んだ方が早いと思うのですが、飛ぶことはあまり得意ではないようでした(でも飛べることは飛べる)。
雷鳥の鳴き声がカエルに似ているなんて、初めて知りました。ぜひ一度お聞きください。
それにしても、もしあの鳴き声さえ聞こえなければ、絶対雷鳥の存在に気が付かなかったと思います。思わず「雉も鳴かずば撃たれまい」という諺を思い出してしまいました。ちなみに雷鳥は、キジ目キジ科ライチョウ属に分類されるので、雉とは仲間です。
雷鳥は天気が悪いと活動する
雪の大谷ウォーキングの時には、室堂平(むろどうだいら)は晴れていたのに、
この時はガスがかかっていて、視界が良くありませんでした。でも実は雷鳥は、そんな天気の悪いときに活動するのだとか。
猛禽類の天敵を避けるため、晴れた時よりも雷の鳴るような悪天候の時に活発に活動するため、雷鳥と名前が付いたという説もあります。でも雷鳥を英訳すると、サンダーバードではなくてRock ptarmigan(ロック・ターミガン)なんですね。つい最近まで、JRの大阪と金沢を結ぶ特急サンダーバードも、雷鳥のことだと思い込んでいました。
ところで、雷鳥を見るためには実は4月がベストシーズン。
そして、ハイマツ(這松)の茂み(上)を隠れ家にしているそうです。雷鳥もハイマツも、氷河期に北方から日本にやってきたものの、その後の温暖化で高山に移動して生き延びたのだとか。ちなみに上の写真にも雷鳥がいます。さぁ、どこでしょう?
衆人環視の中、この雌の雷鳥は、少し上の方のハイマツの茂みから呼びかける仲間(雄?)の声の方へ、(最後まで飛ばずに)トコトコ走っていきました。
待ち構えていた雷鳥カメラマンや、偶然通りかかった観光客が、距離を保って撮影大会。この辺りの雷鳥は、人間を恐れないようです。日本では、明治期の30年間に乱獲されてしまいましたが、それ以前は信仰の対象として、人間は雷鳥に危害を加えませんでした。今も国の特別天然記念物に指定されています。
雷鳥カメラマンらしき方々の装備を見ると、本格的な望遠レンズなどを装備しておられました。やはりこれくらいの準備をして、じっくり待機しないと、いい写真は撮れないようですね。
みくりが池温泉の喫茶室で、夕食後に雷鳥の講演会を聞いた
夕食後、喫茶室でくつろいでいると、壁際に雷鳥の写真集があるのを見つけました。
夏・冬・両方の羽毛の写真があります。まじまじ見ると、本当に雷鳥って丸々していて、かわいいし、美味しそう。多くの国々では狩猟の対象になっていて、北海道に棲むエゾライチョウも、狩猟対象なのだとか(信じられない!)
雷鳥の写真を楽しんでいると、雷鳥についての講演会があるというので聞かせていただきました。
この本の著者・戸塚学先生が、雷鳥についていろいろ説明してくれました。このみくりが池温泉周辺ではよく雷鳥を見ることができ、「玄関開けたら5分で雷鳥」というラッキーなこともあるのだとか。雄と雌の見分け方(赤い肉冠に関係なく、目つきの鋭い方が雄。目つきのかわいい方が雌)も教えていただけました。
みくりが池温泉では、戸塚先生と行く「雷鳥ウォッチングプラン」も募集していました。詳しくはこちらをご覧くださいね。
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