2023年4月22日(土)、立山黒部アルペンルートの中間点・室堂(むろどう)近くのみくりが池温泉に泊まった私たちは
素晴らしい青空の下、室堂ターミナルから黒四ダム、そして信濃大町を目指して出発です。
室堂平から見える雪の山々
昨日より少しだけ雪道に慣れたのか、それともあまりにも天気がいいためか、
今日は室堂ターミナルへ向かう雪道を歩きながら、
景色を見る余裕ができました。
一番左に見える、美しい三角形の山は剣岳でしょうか。
立山の地獄谷周辺は、この世に出現した地獄だととても恐れられていましたが、立山連峰の山々は天界浄土とされました。中央の山々が立山本峰(右から神社が鎮座する雄山、大汝山、富士ノ折立)です。
これは奥大日岳(右)と大日岳。いずれも修験道で信仰された歴史を感じさせる名前でした。
雪道で転倒せず、無事に室堂ターミナルに到着です。
日本で唯一のトロリーバスに乗車! 1台1億円の車窓から見る近未来的な眺め
標高2,450mの室堂ターミナルからは(下の写真にある奇妙な動物の絵は、疫病から守ってくれる立山の霊獣・クタベ)
まず立山トンネルトロリーバスに乗って、大観峰(だいかんぼう)駅を目指すのですが、
チケットは長野側のアルペンルート終着点・扇沢まで購入することができました。大人1人6,850円です。やっぱり高いかな。
トロリーバスは8:15発ですが、昨日のように長蛇の列ではありません。早く来てよかった!
トロリーバス(正式名称は「無軌条電車」)というのは、道路上空に張られた架線から取った電力を動力として走るバス。架線のある場所しか走らないことから、法律上は電車に分類されて室堂ターミナルも「鉄道駅」となり、「日本で一番高い場所にある鉄道駅」になるのだとか。
排気ガスを出さないので、環境にも優しいトロリーバスは、なんと1台1億円! ちなみに立山高原バスは、1台4,000万円だそうです。そりゃ運賃が高いはず。
そして立山トンネルトロリーバスは、日本で唯一のトロリーバスなのです。昔は日本の大都市にいくつかトロリーバス路線があったようですが、架線のある場所しか走れず、自動車の交通量が増えると定時運行が難しくなるということで廃止が相次ぎました。
この路線は、名前の通り全線トンネル。ちょっと近未来的な車窓の眺めです。
ここは全区間がトンネルのため、最初はディーゼルバスが走っていたのですが換気が困難で、排気ガスを出さないトロリーバスに転換されました。
室堂ターミナルから大観峰へ 破砕帯を初めて見た!
標高2,450mの室堂ターミナルから、標高2,316mの大観峰駅へ、約10分間のトロリーバス体験。
神社が鎮座する雄山(立山の主峰)の真下を通っていると知りびっくり! 雄山の真下近くには、上下線のバスがすれ違うための道もありました。
そしてトロリーバスで一番印象に残ったのが、この水色のライトで照らされた「破砕帯」。地下にある岩盤が断層運動によって破壊され、よく水を通すため大量の地下水が噴出し、黒四ダム工事は困難を極めたそうです。
今はトロリーバスで、あっという間に走り抜けてしまいますが、この青いゾーンを掘り進めるために、どれほどの歳月と人々の苦労があったのだろうかと考えると、やはり関西人の私たちは、黒四ダムやその工事に携わった人たちに感謝せねばならないなと思いました。
トンネルの中にあった幻の駅
後で知ったのですが、この路線には、途中下車できる駅が1つあったのです(ただし今は廃駅)。
その廃駅の名は「雷殿(らいでん)駅」。1998年、駅につながる登山道が崩壊したため、駅も使われなくなりました。駅の施設は撤去されましたが、トンネル出口はそのまま残っています。
破砕帯を通り抜けた時、一瞬光が見えた個所があったのですが、どうもそこが雷殿駅トンネル出口だったようです。
ちなみに私たちは気が付きませんでしたが、トロリーバス車内には、雷殿駅で下車する利用客用押ボタンが残されたままらしいです。機会があれば探してみてくださいね。
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