下り道なので谷汲口駅まで歩く決断
2022年12月、40年以上かけて、西国三十三所観音霊場の札所をすべて参拝することができました。
最後の札所(33番札所)は、岐阜県揖斐川町にある谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)。本堂で参拝を済ませて3種類の御朱印を頂き、笈摺(おいずる)堂や満願堂にも参拝。「精進落としの鯉」も触ることができました。
仁王門まで帰ってきました。
行きは樽見鉄道の谷汲口駅から、揖斐川町はなももバスでここまで来ましたが、
帰りの時間がなかなか予測できなかったのと、帰りは下り道だから大丈夫ではないかという推理もあって、バスを予約しませんでした。駅まで徒歩で約1時間です。
ここがバス停。平日利用する場合は、乗車1時間前に電話を入れてくださいね。
谷汲山華厳寺の門前町と、いのりちゃん
仁王門から伸びている道の両側には、すでに紹介した「富岡屋」の他にも
多くの店が並んでいました。
精進落としを終えて、ゆっくり食事をしたい人が昔から多かったのか、飲食店が多いです。でも、樽見鉄道を乗り過ごすと次の列車までかなり待つので、今回は寄り道せず、ひたすら駅までの道を急ぐことにしました。
訪れた時は、まだもみじまつりの期間中でしたが
平日の木曜日だったせいか、営業していない店もあり、人通りもありません。やはり皆、土日に行くのかな。
このキャラクターは、谷汲山華厳寺のマスコットキャラクター「いのりちゃん」。マスコットキャラクターとしては初めて三十三所巡礼の満願を達成したという、輝かしい経歴の持ち主です。
時間があって、もう少し観光を考えるなら寄ってみたい「揖斐川町観光プラザ」も、参道途中にありました。
少し寂しい感じもした門前町の中で印象的だったのが、「水谷美術」というお店。
満願の札所らしい品揃えですね! 仏画や御朱印関係の商品が充実していました。
今はなき名鉄谷汲駅と、年に1度蘇る列車
やがて見えてくるのが、谷汲山華厳寺の総門です。
私たちはここで東側に曲がったのですが
曲がってすぐに、面白い建物が見えてきました。
「昆虫館」という建物の横にある、赤い目立つ入り口。
ここは2001年に廃止された名鉄(名古屋鉄道)谷汲線の谷汲駅跡です。谷汲線は谷汲山華厳寺参拝客の交通の便の確保と、地域の開発を目指して建設されましたが、華厳寺のご開帳があると賑わうものの、ご開帳が終わると乗客が減少するということを繰り返していたようです。
1926(大正15)年の開業当時(その時は「谷汲鉄道」)のホームや車両、1911(明治44)年のアメリカ・カーネギー社製のレールなどが保存され「推薦産業遺産」に認定されました。
ちなみに奥の車両は、モ514号車「丸窓電車」。今年97歳になりますが、動態保存されている貴重な列車。
この赤い車両は、モ755号車。これも今年95歳ですが動態保存され、年に1度(2023年は10月15日 詳しくはこちらをご覧ください)、谷汲駅の運営に係るボランティア団体「庭箱鉄道」により、車両移動機によって駅構内にて牽引走行されているそうです。こんなに愛されている鉄道路線や車両を見ることができて、とてもラッキーでした。
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