2024年2月10日(土)、初めてJR木次(きすき)線に乗った私たちは、雲南市の木次駅から、奥出雲町の出雲横田駅を目指します。
人喰い鬼伝説の残る下久野駅を出発した列車は、どこかもの悲しい警笛を発したり(自動遮断機や警報機がない、第4種踏切が駅の近くにある)、木次線で一番長い下久野トンネル(2,241m)をくぐるなど、鉄道ファンなら大喜びしそうな路線をひた走ります。
次に停まる駅は、奥出雲町の出雲八代(いずもやしろ)駅。
駅名標がいい感じです。駅全体に、昭和の名残が漂っていそうです。
木次線は出雲神話の舞台を走るため、ゆかりの神様を紹介している駅があり、出雲八代駅もその1つでした。
ゆかりの神様とは、八岐大蛇(やまたのおろち)に食べられそうになっていたところを、素戔嗚尊(すさのおのみこと)に助けられる奇稲田姫(くしなだひめ)の母親・手摩乳(てなづち)。かなり薄くなって消えかかっていますが、絵でも紹介されているようでした。でも絵の意味が、よくわからない(汗)
駅の西に伊賀武(いがたけ)神社があり、境内にある八重垣神社には素戔嗚尊と奇稲田姫、姫の両親の老夫婦・脚摩乳(あしなづち)と手摩乳が祀られているとか。老夫婦の7人の娘は八岐大蛇に食べられてしまいましたが、末娘の奇稲田姫だけは、素戔嗚尊に救われたのです。良かった良かった。
映画『砂の器』亀嵩駅のホームは出雲八代駅ホーム
ところで、今回私たちが奥出雲町を目指す理由の1つが、名作映画『砂の器』(原作・松本清張)の舞台に行くことで、亀嵩(かめだけ)駅では必ず下車し、そばを食べる計画でした。
出雲八代駅では特に予定はなかったのですが、旅行2日目に、「出雲八代駅のホームが、映画の亀嵩駅ホームのロケ地になった」という情報を入手! 下車はしないけれど、ホームの写真は、ワンマン列車の運転席の車窓から撮影しました。
宍道駅行の列車から撮影したホームと線路。この不自然な線路の曲がり具合は、確かに映画で見たような。秀夫が線路を駆けてきたシーンです(涙)。現在ホームは1面だけですが、よく見るとその向かいにもホームがあった痕跡がありました。
なぜ亀嵩駅のシーンが、この出雲八代駅で撮影されたかというと、1973年の撮影直前に亀嵩駅の駅舎が手打ち蕎麦屋に改装されたことと、崖が迫っていてカメラが引けなかったことで、撮影に不向きと判断されたためだそう。
確かに、私たちが昼食で利用する亀嵩駅舎内の蕎麦屋・扇屋の公式サイトを見ると、「昭和48年創業」と書かれていました。まさに1973年! もう少し創業が遅れていたら、亀嵩駅もロケ地になっていたのかな?
ちなみに亀嵩駅の駅舎のシーンは、今回訪れる機会がなかった八川(やかわ)駅(出雲横田駅の次の駅)で撮影されたそうです。木次線が廃線になる前に、訪れることはできるかな?
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