「光る君へ」ゆかりの福井県巡り2  『源氏物語』や紫式部について学べる紫ゆかりの館

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2021年にリニューアルオープンした紫ゆかりの館

2023年8月末、福井県の越前市武生(たけふ)を訪れました。NHK大河ドラマ『光る君へ』で描かれる紫式部(下の肖像)が、

京都以外で唯一生活した場所として知られているからです。彼女の父・藤原為時が、越前国司(福井県の地方長官)に任じられ、彼女も父親と共に越前国府(国司が政務を執る国庁を中心に造成された古代都市)に移り住みました。その場所は、武生市街地ではないかと言われています。

最初の目的地は、「紫式部と国府資料館」という別名もある「紫ゆかりの館」。JR武生駅からは少し離れていたので、タクシーを利用しました。

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2024年5月26日

2021年4月にリニューアルオープンした資料館なので、展示も現代風です。入館料が無料なのも、嬉しいところ。

紫式部の生涯についてのパネル展示や、映像による紫式部の越前国府での生活の紹介は、わかりやすくて面白かったです。越前国の支配者として赴任した藤原為時なので、きっと紫式部も、それまでの貧乏生活では味わえなかったような美味しい食事に出逢えたかも。新鮮な魚介類なんて、多分京都では食べられなかったと思うのです。私もこんな料理、食べてみたい!

越前では恋の花も咲くし、まさに彼女の人生においてターニングポイントとなった場所だったのでした。

越前和紙の迫力ある人形たち

古くから福井県の名産の1つとして、「越前和紙」が有名です。この越前和紙は、越前市今立(いまだて)地区で生産されているのですが、この「紫ゆかりの館」も、地元名産の越前和紙で作られた展示品がたくさんありました。

中でも印象深かったのが、和紙でできた紫式部人形(かなり大きい!)。

近寄ってみると、髪の毛などの質感が、とてもリアル!

また、藤原為時や紫式部たちが、越前に向かう際の下向行列も、たくさんの越前和紙人形で再現されていました。

4年間を過ごすわけだから、引っ越し荷物もさぞ多かったことでしょう。

紫式部は輿に乗っていたのかな? これは為時たちに仕える女房達かな?

ちなみに、越前国へは琵琶湖を船で渡ったり、峠を越えたりする厳しい旅路でした。

源氏物語コーナーも充実

紫式部と言えば、どうしても避けて通れないのが『源氏物語』。

訪れたのが8月末だったので、夏に因む展示をされていました。光源氏の邸宅・六条院に住む夫人の1人で、「夏の御方」と呼ばれる花散里(はなちるさと 地味だけれど好きな女君)が初めて登場する「花散里」の巻や

蛍の光で、恋を盛り上げようとする光源氏を描く「蛍」の巻が紹介されていました。「夕顔」の巻も夏らしくていいのにな。

もちろん、源氏物語の全体のあらすじも紹介されていますし、「あなたはどの姫君タイプ?」という性格診断ゲームもありました。これって確か昔、宇治市の源氏物語ミュージアムにもあったのでは? 懐かしい。

越前国府はどこに

この紫ゆかりの館で初めて知ったのですが、紫式部らが暮らした「越前国府」の大まかな場所はわかっているようなのですが、

正確な場所までは、まだわかってないらしいのです。

現在も盛んに発掘調査は続けられており

国分寺の所在を示す土器や

貴族男子が正装時に着用する束帯に使用する「石帯(せきたい=ベルト)」が発見されています。ただ、国府推定値(4つある)はいずれも住宅密集地で、広範囲での発掘は難しいとのこと。今の住宅はそのままで、レントゲンのように地中構造がわかればいいのになと思いました。誰か発明してくれないかな。

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