『地球の歩き方』にはなかったワット・パーラート
2024年5月3日(金)、チェンマイ2日目の朝です。この日はまずソンテウ(乗り合いタクシー)で、チェンマイ郊外のドイステープ山頂(標高1,080m)にある寺院ワット・プラタート・ドイステープと、その近くにある古代遺跡のような静寂な寺院ワット・パーラートを観光。
チェンマイ旧市街北部にあるチャーン・プアク門でソンテウを見つけ、600バーツで往復してもらうことに成功し、
まず最初に立ち寄ったのが、ワット・パーラート。
ワット・パーラートは、現地のタクシー運転手や観光パンフレットで初めて知った寺院でした。私たちが頼りにするガイドブック『地球の歩き方』には載っていない寺院でしたが、ネットで調べてみるとなかなか評判がいいので、楽しみにしていました。
竹や木々が茂る広い境内には、僧侶の姿は見えるものの、観光客の姿は、朝まだ早いせいかほとんど見かけず、静かな雰囲気でした。
古びた石像や苔むした仏塔に癒される
この寺院が建てられたのは、14世紀の中頃。日本では南北朝時代です。時代的には中世なのですが、古びた石像に古代遺跡のような何とも言えない味わいがあり、表情もとても美しいのが印象的。この2体は、上半身は菩薩か天女のような顔立ちですが、よく見ると4本の足があり、階段の手すりを装飾している龍の下半身があるようでした。
本堂の屋根の妻に描かれているのは、緑の孔雀。ビルマ(現ミャンマー)のシンボルとして使われていました。寺院が建てられた頃、チェンマイを首都にしたランナー王国は、ビルマやラオスにも領域を広げましたが、後にビルマの王朝に侵略された歴史があります。この寺院にも、ビルマの影響はあるようですね。
階段を上ったところにある石像。
こちらの翼を持つ天女?は、石像全体としては古びているものの、唇の色や瞳の彩色が残り、首飾りやベルトなどアクセサリーは本物っぽく、座り方もどことなくなまめかしい。思わずドキッとさせられる美形です。
本堂の中に安置された仏像。冠の形がユニーク!
そして仏塔。タイや東南アジアの寺院の仏塔は、小さな観光地ではない寺院の仏塔も皆キラキラしているイメージがあるのですが、この寺院の仏塔は所々苔むしています。昔はきらびやかに輝いていたのでしょうか。
森の緑ともよく調和していて、「ジブリ映画の世界」という感想が散見されるのも頷けます。もしかしたら後500年くらいしたら、私の大好きなカンボジアのタ・プローム遺跡みたいになるかな。
自然の中に溶け込む寺院
私たちはガイドなしで、約30分の自由見学時間で境内のあちこちを散策しました。
見落としている場所も多いとは思うのですが
緑の自然の中に溶け込んでいるような建物を見ていると、とても癒されて大満足。
日本の寺院に近い雰囲気なのでしょう。
日本の寺院と違うのは、動物たちがあちこちにいること。仏陀の遺骨を運んできた聖なる白いゾウが、ドイステープ山頂に行く途中に休憩した場所に、この寺院は建てられたそうですが、その縁でゾウの石像もあるのかな?
タイなど東南アジアの寺院によく見られる、ナーガ(龍)で装飾された階段。
日本の龍とは、かなり印象が違います。
よく見ると、つぶらな瞳がチャーミング?
上半身は龍、下半身はネコ科動物(獅子?)っぽい謎の神獣。瞳や前足の間の宝石?がリアルです。
境内には犬や猫たちもいて、まさに寺院と自然が一体になっている感じ。木陰も多くてとても素敵な寺院でした。
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