不退寺への道
2025年5月18日(日)、奈良に行く機会がありました。近鉄の「ならしかトレイン」に乗ることもできて、
終着駅・近鉄奈良駅1つ手前の新大宮駅で降りた私たちは、この日最初の目的地である不退寺を目指しました。
新大宮駅からは、北へ歩いて20分弱。

大宮橋で見た佐保川を渡ります。この両側の木々は全て桜だそう。そして正面に見える山は、若草山(三笠の山)。いかにも奈良らしい眺めです。桜の時期に来たら、とても美しかったことでしょう。ちょっと残念。

JR大和路線の踏切も渡りました。こちらはとても見通しがいい! 奈良駅に向かう方向です。

平城山(ならやま)駅へと続く線路は、程よいカーブ。

踏切は、自宅の近くにはないのです。下からの角度で車両を見るのも、新鮮な気分。
花と石棺と在原業平
元々不退寺は、在原業平の祖父・平城上皇がこの地に隠棲し、その邸が上皇の子・阿保(あぼ)親王、そしてその子(5男)の在原業平に受け継がれた「萱の御所」を、847年に業平が寺に改めたもの。

上皇とその子孫ゆかりの寺の為か、南大門がなかなか立派です。

5月28日は業平の命日(業平忌)で、この日も在原業平の画像が特別公開されていました。

手作り感のある掲示物も。素朴でいい感じです。

特別展拝観料600円を納めて境内に入ると、池にはキショウブの花がたくさん咲いていました。なかなかキショウブだけ、こんなにたくさん咲いているのを見たことがありません。紫のハナショウブはよく見かけるのですが。

順路の案内に従って歩いて行くと、お寺の境内に石棺が! 昔の人は、この石棺で草刈り鎌を研いだらしいのですが、くぼんでいるのは、その跡かな? もう少し小さかったら、風流な手水鉢と思ったかも。

この辺りにはウワナベ古墳、コナベ古墳など、大小いくつもの古墳が点在していますが、
ウワナベ古墳の南側にあった、平塚古墳(今は奈良バイパス)から発掘された石棺だそうです。歴史を感じますね。
今年限定の御朱印に、業平の肖像画
境内の中の道をさらに進むと(探検感ありました)

不退寺(正式名は、不退転法輪寺)の本堂です。

とても静かで、ひっそりとたたずむ本堂の内部は、残念ながら撮影禁止。

案内板の写真を、掲載しておきます。在原業平の肖像画や、父・阿保親王の肖像彫刻、そして業平自作と伝わる聖観音像などが安置されていました。

不退寺でも「在原業平生誕1200年」ということで、業平の肖像画のある限定御朱印が今年限定で頒布されていました(1,000円)。天理の在原神社に行った時も思ったのですが、
誰が最初に、今年が生誕1200年に当たると気が付いたんだろう? 色々な有名人の生誕や没後の記念の年を、ゆかりの施設は皆しっかり把握しているものなのかな。
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