「空港なんてどこも同じでしょ?」
と思う人が多いかも知れません。
関西に暮らしていると、どうしても関西国際空港(関空)が「空港の標準タイプ」になってしまい、あちこちの空港と比較してしまいます。
すると時々、建物の雰囲気などが「関空と似てる!」と思う空港がありました。
先日乗り継ぎをしたソウル・インチョン国際空港も、家族に言わせると雰囲気が関空に似ているそうです。
同じ東アジアの空港だし、懐かしい雰囲気で、美意識も似ているのかもしれません。
乗り継ぎの便利さ、ショッピングのしやすさなど、これから両者互いに切磋琢磨して、どんどん素晴らしい空港になってくれればいいですね。
写真はインチョン国際空港のショッピングエリアです。
アバンギャルドなメインターミナル
一方パリのシャルル・ド・ゴール空港第Ⅰターミナルは、とてもユニークな建物。
まるで近未来建築、それも私達が子供の頃の1960年代末~70年代に考えられたようなデザインなのです。
メインターミナルが円筒形(平面はドーナツ型)の建物で11階建て。
メインターミナルからいくつものサテライトが放射状に伸びていて、そこにゲートがあります。
透明チューブの中にエスカレーターがあって、それが何本も複雑に交差している様子は、懐かしい日本万国博覧会のパビリオンや、手塚治虫さんなどが描くSF漫画の世界です。
コンクリートむき出しの、洞窟のような静かな空間を、長大な動く歩道でひたすら進むという個所もありました。
しかもなぜか、平坦ではなく、アップダウンがある歩道なのです。
記憶は少しあいまいですが、日本万国博覧会のシンボル、太陽の塔内部に向かう長いエスカレーターに、どこか似ているような気がしました。
この第1ターミナルは、フランス人建築家のポール・アンドリュー氏の設計です。
1974年(昭和49年)の開港当時から、アバンギャルド(前衛芸術的)として話題になったようでした。
知らないと混乱? 内部構造もユニーク
ユニークなのは、デザインだけではありません。
フランス出国の時、バスで空港に到着したのですが、チェックインしようと案内板を見たら、エレベーターで下の階に降りるという指示があって、混乱しました。
関空の場合(多分多くの空港もそうだと思います)、バスが到着するのは出発ロビーです。
でもこのターミナル1の場合、バスが到着するのは到着ロビー。
何か理由があるのでしょうか?
どちらがいいのかわかりませんが、やっぱり関空方式の方が慣れているので使いやすいと思いました。
ドーナツ型のメインターミナルにはチェックインカウンターが並んでいて、Hall 1~Hall 4に区切られています。
これも勝手が違ってとまどいましたが、ぐるぐる歩き回っていたら、そのうちいつか見つかるだろうという妙な安心感もありました。
ただ、昨年末利用したエールフランス(ターミナルCDG2E利用)の場合と違い、ターミナル1では、免税店エリアを抜けてから手荷物検査がありました。
私達は「手荷物検査を終えてから、ゆっくり買い物でもしたい」というタイプなのですが、手荷物検査を終えてゲートの近くに来てみると、免税店は1軒しかなく、あまりいいお土産もなかったので、何も買えませんでした。
マスコットキャラクターが交替?
このターミナル1は、開港当初から使われている施設のため老朽化が目立つのか、あちこちで改修工事が行われています。
リニューアルの流れの中で、シャルル・ド・ゴール空港のマスコットキャラクター?も新しくなっていました。
以前のキャラクターは、パリの名所・エッフェル塔をモティーフにして、それに小さな羽が生えたようなデザインでした。
何となく、日本万国博覧会のシンボル・太陽の塔を可愛くしたようにも見えました。
だからとても気に入っていたのです。
でも今は、エッフェル塔を放射線で表現しているようなデザインで、太陽の塔を連想させる要素は何もありません。
パリと大阪は、2025年開催予定の万国博覧会の誘致を巡って、ライバル関係にあるのはご存じの通り。
あの可愛い旧キャラクターが、ライバル都市・大阪で開催された日本万国博覧会のシンボルタワーに似ていると気がついたフランス人が、私の他にもいたのでしょうか。
幸いなことに、空港の外にあるボーディングブリッジの外壁で、旧キャラクターを発見しました。
細々とでもいいので、空港を利用する人達に愛されながら、長く活躍してほしいです。
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