コルマールは、「自由の女神」像作者の故郷

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私達が旅の日程を決めるときに、大きく影響を受けるのが、NHKで放映されている『世界ふれあい街歩き』という番組。

今回の旅行も、家族がこの番組を見て訪問先を決定しました。

最初に訪れたのが、コルマールという街。

ストラスブールから鉄道で日帰りできる距離にあります。

ストラスブール到着後、スーツケースをホテルに置いて、すぐに列車で出発しました。

 地方色豊かなTER

コルマールまでは、日本のローカル線に該当するTERを利用します。

あらかじめホテルのフロントで、鉄道の時刻を調べてもらうと、出発時間が間近に迫っており、しかも日本と違って列車の本数が多くありません。

1時間に1~2本で、逃すと待ち時間が長いのです。

困ったことに切符を買おうと思うと駅の窓口に並ばねばならず、番号札を取って待たなければなりません。

窓口で切符を購入する場合、あれこれ質問や相談をしながら購入する人が多いので、時間がかかることも多いです。

語学力と(英語表示もあります)、ICチップ付クレジットカード(VISAとMasterのみ)があれば、自動販売機で買うことも可能らしいですが、フランスの場合、機械が故障している場合もあるのでやはり窓口の方が信頼できます。

幸い待ち時間も少なく、親切な女性係員と、皆でプラットホーム目指して走ったおかげで何とか列車に乗れました。

地方ローカル線の各駅停車なのですが、車内はきれいだし、向かい合わせで座れる席が多いし(しかもテーブル付き)、車体は地方色あるし、かなり高級感がありました。

料金ですが、空港からストラスブールまでのTGV前売り切符は1人41ユーロ(約2時間)。

それに比べるとストラスブールからコルマールまでの往復切符は、1人12.6ユーロ。

地方の普通列車(TER)で、片道約30分(往復1時間)なのですが、割高なのでしょうか。

 コルマール駅

30分ほどして到着したコルマール駅で、時刻表を手に入れました。

帰りの電車も1時間に1~2本という状況は同じです。

駅舎の建物は時計台があって、中世の町らしい佇まいでした。

新緑の公園

コルマールの見どころの1つが、コロンバージュと呼ばれる木組みの家が残る旧市街。

駅からは徒歩で15分ほどというので、ぶらぶら歩いてみました。

5月のフランスなんて、今まで訪れたこともありません。

ちょうど天気も少し回復してきたところで、花をつけている木々もありました。

旧市街へ行く途中で通りかかったのが、大きな公園。

『地球の歩き方』には、名前も載っていません。

後で調べてみると、シャンドマルス公園という名前でした。

中央にある噴水から、通路が放射線状に伸びているデザインで、このような幾何学方式の庭園をフランス式庭園というそうです。

公園の新緑がとても美しく、日本の木々よりももっと緑が深くて、鮮やかな印象を受けました。

いつもヨーロッパ旅行に行くのは、夏休みか冬休み。

訪問先も休日のことが多く、あちこちに観光客があふれていることも、多々ありました。

でも今日は、フランスは平日です。

平日の昼間の公園なので、人もそんなに多くなく、とてものんびりしていました。

日本ではあまり有名ではないかもしれませんが、緑の木々も芝生も美しく、いつまでもベンチに座っていたい気持ちにさせる公園です。

かすかにエキゾチックなドラムの音が聞こえてくるなと思ったら、アフリカ系の男性が(この街の住人でしょうか)ドラムの練習をしていたのでした。

 「自由の女神」の作者はコルマール出身

公園の中央に噴水があり、そこに建っていたのがこの銅像。

後で調べたところ、ブリュアット海軍大将の像だと判明しました。

ニューヨークにある「自由の女神」像を制作したフレデリク・バルトルディの作品です。

バルトルディはコルマール出身の彫刻家で、19世紀後半に活躍しました。

彼のことは、『地球の歩き方』には載っていなかったのですが、『世界ふれあい街歩き』では紹介されていました。

1886年、アメリカ独立100周年を記念して贈られた「自由の女神」ですが、コルマールがこの像の制作に取り掛かったのは1874年。

その3年前(1871年)に、フランスは普仏戦争でプロイセンに敗北したため、コルマールは第一次大戦後の1918年まで、プロイセン(のちドイツ帝国)領となりました。

「自由の女神」には、バルトルディの自由への想いや、故郷や平和への想いが込められているようです。

このブリュアット海軍大将は、19世紀半ばにフランス海軍で活躍した人物で、彼もコルマール出身だとか。

フランスとドイツのはざまで揺れ動いたコルマールですが、シャンドマルス公園の一角にはEU諸国の旗らしきものが仲良く並んでおり、バルトルディの願いを受け継いでいるようにも思えました。

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