マルセイユからアルル 鉄道旅で困った点と、鉄道旅で知った南仏の歴史

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頑張って午前中にマルセイユ観光を終えた私達は、11:50マルセイユ発のTGVで、アルルに向かう予定でした。

マルセイユ・サン・シャルル駅

発車の30分以上前に、マルセイユ・サン・シャルル駅に到着。

駅舎は1848年の開業というから、『レ・ミゼラブル』後半のクライマックスとなった六月蜂起(市街戦)があった年です。

ペリーが来る5年前ですね。

歴史的建造物に指定された大階段があるのですが、スーツケースを持って移動した私達は、階段は利用しなかったので気が付きませんでした。

これは夜明け前の駅外観写真ですが、右側に向かうスロープが階段なのかも。

フランス第2の大都会の駅らしく、大きな駅でした。

私達は利用しなかったけれど、地下鉄もあります。

突然の列車運休

このように大きな駅ですが、フランス国鉄(SNCF)は列車到着20分前でないと、到着ホームを表示してくれません。

皆、ホームではなく、駅構内で待っています。

そのため駅構内はたくさんの人であふれており、旅行者を狙ったスリ、置き引きなどに注意が必要です。

でもせっかく余裕をもって早く駅に来たのに、なかなか乗る予定の列車が表示されません。

挙句の果てには、キャンセルだというのです。

フランス語がわかれば、正しく詳しい情報を知ることができるでしょうが、私達には全く理由がわからない。

割といい天気だったので、気象上の理由でもなさそうです。

日本だったら、列車が運休になるなんて、よほどのことだと思うのですが、フランスではよくあるのでしょうか?

その次の列車(12:17発)は、予定していた列車よりもアルルまでの所要時間がかかるようなのですが、これに乗るしかありません。

がっかりしたけれど、駅でWiFiが使えるのはありがたいなと思いました。

車体に描かれた紋章の謎

私達が乗車するアルル行きの列車は、地方ローカル線の各駅停車なのですが、車体はなかなかかっこいいものでした。

この紋章は、一体どこの紋章なのかな?と調べたところ、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏の紋章だということがわかりました。

左側の赤と黄色のストライプが、スペインのアラゴン王家(プロヴァンス伯爵領を支配)の紋章。

右上はイルカで、山岳の公国として緩やかな独立を保っていたドーフィネ(ドルフィン)地方の紋章。

右下は赤いワシで、ニース伯爵領の紋章です。

「プロヴァンスの紋章」サイトに詳しく書かれていました。

いずれも後に「フランス」という国に統合されていくのですが、想像以上にたくさんの国々が統合されていたのだなと驚きました。

それを考えれば、いまだに独立して頑張っているモナコ公国はすごいなと思います。

2002年に、近郊鉄道(TER)の運営権が国から移管され、これ以外にも教育、医療、社会インフラ整備などの権限も委譲され、地方分権が進められています。

フランスはなんとなく、中央集権というイメージがあったのですが、歴史的・文化的な成り立ちを考えれば地方分権への動きもうなずけます。

同じSNCFでも、パリを中心として大都市を放射線状に結ぶTGVなど長距離路線と、地方ごとのローカル線とは別体制というわけでした。

別体制だから不便だ、ということにならなければいいのですが。

ちなみに車内はこんな感じでした。

アルル駅でスーツケースを預ける場所がない!

アルル駅に到着したのは、13時半頃。

マルセイユからは、1時間15分ほどでした。

車中は快適に過ごせましたが、問題はアルル駅に到着してから発生。

なんと、アルル駅にスーツケースを預ける場所がない!

私達は、今夜はアヴィニヨンに泊まる予定なので、アルル観光のためには、どこかにスーツケースを預けなければならないのです。

駅にコインロッカーもなければ、一時預かり場所もない。

有名な観光地で、世界中から観光客も来るだろうに、どうしてサービスが悪いのだろう?

「国鉄」と名乗ると、ついついサービスが低下してしまうのでしょうか?

列車内部がきれいで快適だったのに、これではとてもがっかりです。

駅前にホテルがあるから荷物を預ければいい、という情報もあったのですが、冬のためか、クリスマスシーズンのためか、営業している気配がありません。

ローヌ川沿いにもホテルがありましたが、ここも休業している様子。

仕方なく、スーツケースを持ってアルル旧市街へ向かう羽目になりました。

アルル旧市街の「カフェ・ヴァン・ゴッホ」という店で食事をしたのでスーツケースを預かってもらうことができましたが、もう少し駅周辺は、便利にならないものでしょうか。

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