避暑地に建つ「元別荘」風ホテル
セイロンティーの産地として有名なヌワラ・エリヤは、イギリス植民地時代に、避暑地として発展した町でもあります。
ゴルフ場が多く、競馬場、緑の公園、そしてコロニアル(植民地時代)風の洋館が高台に建っているという、ここがスリランカだということを忘れてしまうような場所です。
さて、ヌワラ・エリヤでの宿は、ヴィラ・アカシア。
ドライバー兼日本語ガイドのランジェナさんが、初めて訪れるホテルで、場所がよくわからないようなのです。
地元の人に尋ね、こんなところにホテルがあるのか心配になるような、人気のない道を通ります。
そして一番奥まったあたりにあったのが、ヴィラ・アカシアでした。
私達はもう夕食を食べないことに決めたので問題ないのですが、朝食しか出ないこのホテルで、夕食を食べたいと思ったら、一体最寄りのレストランはどこなのか、そしてどうやってレストランに行けばいいのか、とても心配になりました(頼めば有料で作ってくれそうだけれど)。
ホテルというよりペンション?
どうやら、元々は誰かの別荘だった建物をホテルにして、家族で経営しているという感じでした。
というのも、チェックインの時からずっと小さな男の子が、好奇心いっぱいの様子で、私達の周りをうろうろしていたのです。
とてもかわいい子でしたが、なかなかパワフルで、1階の客室にいると、2階のリビング(私達の部屋の真上)を駆け回る足音や大きな声がよく聞こえます。
でも夕方に元気いっぱい遊んだため、夜7時には疲れて眠くなったようで、自分の部屋に連れていかれ、夜に騒がしいと感じることはありませんでした。
広い部屋だけどサービスが残念
さて、案内された客室は1階にある、とても広い部屋でした。
なだらかな曲線を描くベランダの大きな窓、クラシックな家具という風情で、特に女性なら喜ばれると思います。
ベランダ側から見ると、こんな外見です。
ただ、問題なのがサービス面。
まず、トイレにトイレットペーパーがなく、タオル類もないのには唖然としました。
スタッフに連絡すると、やっと持ってきてくれたけれど、3人でチェックアウトまで大丈夫かなというくらい少なめのトイレットペーパーで、とても不安になりました。
しばらくしてから、新品のトイレットペーパーとバスタオルが届きましたが、ちょっと日本では考えられない。
テレビもあるのですが、リモコンがなく、必死に探すとわかりにくいたんすの引き出しの中にありました。
リモコンがあったのでテレビをつけようとしても、反応がなく、コードがコンセントに刺さっていない。
というか、コードが短くてどう頑張ってもコンセントには届かないという、すごい構造です。
スタッフに尋ねると、「このテレビは昨日届いたばかりで、まだセッティングができていない」みたいなことを言われました(絶対嘘だと思う)。
もちろんミニバーもティーセットもなく、WiFiも2階ロビーなら使えるらしいのですが、私達の部屋ではとても遅くて使い物になりませんでした。
部屋のたんすの取っ手も、よく見ると半分以上取れているという、年代物のお屋敷感がありありでした。
電気とお湯は貴重品?
バスルームもきれいですが、お湯が出なくて、寒い思いをしました。
これもスタッフに文句を言って、何とかしてもらいましたが、お湯の出る量は決まっているようで、「湯水のように」という言葉は、ここでは考えられないのかも。
ただでさえ涼しい高原地帯のヌワラ・エリヤは、8月というのに夜になるとどんどん寒くなり、部屋には毛布もなく、お湯が出ないので寒くてたまらず、部屋にヒーターがあったので、スイッチをつけようと思ったけれど、これも素人にはつけ方がわからず、スタッフに頼んでつけてもらいました。
ヒーターがないと、本当に寒いです。ヌワラ・エリヤをなめていました。
そして驚いたことに、翌日朝日が昇ってしばらくすると、一斉に部屋の電気が切れてしまったこと。
もちろんデジカメやスマホの充電もできなくなりました。
眺めのいいホテル
でもさすが高台にあるだけあって、眺めは素晴らしい。
部屋から朝日が見えました(ちょっと感動)。
外に出てみると、グレゴリー湖や近くの野菜(キャベツ、カボチャ、ニンジン)畑が眼下に広がります。
カボチャの花を、娘は初めて見ました。
ニンジン畑の緑も、とても美しいと気が付きました。
ベランダには、元別荘らしく、美しい花が咲いていました。
ホテルの近くからは、宗教を超えて崇められる聖なる山スリー・パーダ(アダムス・ピーク)も、雲の上に小さく小さく見えました(中央の富士山に似た小さな山頂)。
ロビーが最高の場所
そしてやはり、このホテルで一番素晴らしいのは、ロビー(リビングルーム)からの眺めです。
この写真(だけ)を見たら、皆、いいホテルだなと、絶対評価するでしょう。
晴れていてよかった!
ただ、ほかの宿泊客なのか、家族スタッフの知り合いなのか、よくわからない男性がずっとスマホを触っていて少し雰囲気が悪かったです。
アットホームな朝食
朝食も、ロビーに続く明るいレストランで食べました。
あの男の子も、元気に起きてきて、キッチンから、ちらちらこちらを見ていたりします。
朝食メニューは、パンやオムレツ、そしてジャガイモや野菜のカレー(私と夫は、ここで初めてスリランカのカレーを食べました)、シーニ・サンボルという玉ねぎを甘辛く煮た付け合わせなど。
コーヒーもゆっくりいただきました。
レストランの壁には、「トリップアドバイザーの評価4.0」というお墨付きが飾られていましたが、正直、このホテルの評価は難しいです。
私ならもう少し辛い評価を付けますが、展望ロビーなどホテルの雰囲気重視の方なら、納得の数字かもしれません。
コメントを残す