箱館高田屋嘉兵衛資料館
北海道坂本龍馬記念館を訪れた私達は、十字街から歩いてベイエリアに向かいます。
次の目的地は、箱館高田屋嘉兵衛資料館。
この日は朝から暴風雪警報が発令され、午前中は雪が降らなかったものの、この時間からどんどん雪が降り始めました。
しかもふぶいてきたりするので、カメラのレンズも雪だらけになり悪戦苦闘。
やがて赤レンガが目立つベイエリアへと続く道に、伝統的な蔵のような、大きな白壁の建物が見えてきました。
壁には独特の屋号(「ヤマタカ」と読むらしい)。
縁起がいいとされる「ヤマ」の下に、「高」の崩し文字。これが高田屋の屋号です。
こんな天気だし、今日は閉館かもと心配していましたが、ちゃんと開館していました。
館内撮影禁止&硬派なアプローチ
この建物は、それまで昆布倉庫として使用されていた建物を転用して1986年に資料館となったそうです。入館料は大人300円。
特に1号館は、江戸時代に蝦夷地と大坂を結んだ北前船のバラスト(船の重石)を利用した由緒ある建物で、日本の建築文化を代表する蔵として、2011年にミシェラン1つ星に推奨されました。
パンフレットによると、「天井の梁に三角形を基調としたトラス構造が顕著」とあります。
確かに内部も外観も立派だったのですが、撮影は禁止され、素晴らしさを伝えることができません。
同じく内部撮影禁止だった、先ほどの「北海道坂本龍馬記念館」の場合は、2009年オープンと新しいためか、パンフレットも公式サイトも充実しているのですが、ここは一味違います。
パンフレットはとてもシンプル。しかもカラーではありません。
展示品の紹介写真も少なめで、建物の内部写真は皆無です。
まだパンフレットと一緒に頂いたしおりの方が、情報量豊富でした。
資料館の入り口に、展示品の案内も書かれているのですが、古いためか、だんだん、文字が薄くなってきています。
公式サイトを紹介したサイトもあるのですが、「IDサイトをご覧になるには、最新のMacromedia Flash Player「Version 7,0,19,0」以上が必要です。」というメッセージから、先へ進めません。
このサイトなのですが、どうも私の使用しているグーグルクロームと相性が悪く、マイクロソフトエッジにしても、どうしても表示することができませんでした。
敢えて万人ウケを狙わずに、露出もできるだけ控えめに。
高倉健さんみたいに寡黙な姿勢なのかもしれません。
高田屋嘉兵衛とは
さて、肝心の高田屋嘉兵衛ですが、司馬遼太郎さんの『菜の花の沖』でも紹介されている、淡路島出身の豪商。一介の船乗りから頭角を現して船頭となり、やがて船を購入して商売に乗り出しました。
竹中直人さんが演じていたのも懐かしい思い出です。割とイメージに合っていたし、楽しく見ていました。
資料館でも、『菜の花の沖』など、嘉兵衛関係の本はたくさん売られていました。
まだ発展していなかった箱館の将来を見据え、私財を投じて基盤整備事業を実施。
箱館の礎を築いた偉人として知られています。函館に銅像もあるのですが、今回の旅行は雪のため行動が制限されてしまい、対面は叶いませんでした。
彼を有名にしたのが1811年に発生した「ゴローニン事件」。この事件の解決を図り、日本とロシアの民間外交の先駆けとなった人物でもあるのです。
そんな嘉兵衛さんに大坂の女性が出した恋文?や高田屋の半纏(はんてん)、嘉兵衛が箱館に初来航したときの北前船・辰悦丸の復元模型、北前船で使われていた品々などが展示されていました。
直接嘉兵衛さんとは関係なさそうですが、日本最古のストーブ(五稜郭を設計した、武田斐三郎が完成)の復元品も展示されています。
この建物は、高田屋造船所の跡地に建設されたようで、それを示す石碑もありました。
嘉兵衛さんの故郷である兵庫県淡路島(洲本市五色町)にも、もちろん高田屋顕彰館・歴史文化資料館(菜の花ホール)が設置されています。
今度はそちらにも行ってみたいな。
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