『西郷どん』に鶏飯登場?
今夜見ていた『西郷どん』第21話は、大久保利通(一蔵)が奄美大島を訪れていたのでびっくり!(史実ではありません)。
また、はるばるやってきた大久保さんをもてなすため、愛加那が用意したのが、何となく「鶏飯」っぽかったので二度びっくり!
私は目がよくないし、録画もしていなかったので確信は持てないのですが、やっぱり奄美大島名物の鶏飯のような気がしました。
奄美大島名物の鶏飯(けいはん)とは
鹿児島県の奄美群島で今も愛される郷土料理の鶏飯は、茶碗に持った米飯に、ほぐした鶏肉、錦糸卵、パパイヤ漬か沢庵漬けなどの具材とネギ、刻み海苔、刻んだタンカンの皮、白ゴマなどの薬味を載せ、鶏を丸ごと煮て取ったスープをかけて食べる料理です。
まずは写真をご覧ください。
これは、奄美大島の北部にある鶏飯専門店「みなとや」の鶏飯です。
米飯、具材、薬味、スープは別々の器で出され、自分で好きな配分で盛り付け、混ぜながら食べます。
薩摩の役人を接待した料理
元々この辺りでは、ヤマドリなどの野鳥を使用した郷土料理が食べられていました。
約400年前の島津藩が奄美大島を支配していた時代、薩摩藩の役人をもてなすため、その料理をもとに考案された、超ぜいたくな料理が鶏飯でした。
当初は鶏肉の炊き込みご飯でしたが、庶民は口にすることもできなかったのです。
炊き込みご飯だった鶏飯をアレンジし、ごはんに具材をのせ鶏スープをかけて食べる今のスタイルを1945(昭和20)年に作り上げたのが、このみなとや。
そのため「鶏飯元祖 みなとや」というのが正式店名でした。
両陛下が「おいしい!もう一膳」
この「みなとや」の自慢は、1968(昭和43)年にこの地を訪れた天皇・皇后両陛下(当時はまだ皇太子ご夫妻)が、奄美を代表する料理としてこの店の鶏飯を召し上がり、両陛下が「おいしい!もう一膳」と催促なさったということ。
店のレジカウンターの近くには、その当時の記念品が残されています。
両陛下が使用された食器も飾られていました。
みなとやさんの庭園も、なかなかユニーク。
杯状穴など、面白い石がたくさんありました。
昔を偲んで、ありがたくいただきます
現在では、一般庶民の私たちも気軽に、奄美大島以外でも鶏飯を食べることができるようになりました。
私たちも、昨年春に奄美大島を訪れた際、みなとやで鶏飯の昼食を取り、翌日、奄美山羊島ホテルの朝食バイキングでも鶏飯が出たのでびっくりしました(朝から豪華!)。
昔の奄美大島では、鶏を1羽潰すのが、そして米の飯を用意するのが、どれだけ大変だったことでしょう。
島の子供たちに米飯のおにぎりを食べさせた西郷どんを、島の有力者・龍佐民(愛加那の叔父)が注意したシーンは、忘れてはいけないなと思いました。
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