先日、クラブツーリズムの日帰りバスツアーに行ってきました。
『トイレ付きバス利用 御創建二千五十年奉祝式年 熊野本宮大社 世界遺産「熊野三山詣」めぐり』
というツアーです。
那智の滝
新宮・熊野速玉大社の参拝を終えた私たちは、いよいよ最後の熊野三山である那智へと向かいます。
那智ではまず、滝がご神体の飛瀧(ひろう)神社へ。14:30~15:00が参拝時間です。
駐車場から階段を下りて滝まで降り、那智川の滝の中でも最大の落差を誇る「一の大滝」とご対面。
熊野那智大社の別宮で、ご神体が滝なので拝殿も存在せず、直接滝を拝みます。
熊野の神々は、もともとここでお祀りされていたようです。
ということは、熊野三山の本宮は聖なる川の中州、新宮は聖なる巨岩、那智は聖なる大滝がそもそものご神体。つまり雄大で摩訶不思議な自然そのものを、古代の人々は祀っていたのでしょう。
お滝拝所舞台
大人1人300円出せば、滝を一番近くで見ることができます。
どうせなら近くで見たいと思って、有料拝観場所に行くことに。
滝の飛沫に触れると、延命長寿のご利益もあるらしいのです。
確かに近くで見ると、水しぶきが少し触れたような気にもなります。
また、「延命長寿の水」をここで飲むこともできます。空のペットボトルや水筒があればいいですね。
一の大滝は、滝つぼまでの落差133m。
総合落差では日本12位だけど、一段の滝としては落差日本一だそうです。
行きとは逆に、道路まで階段を上らないといけません。これがなかなか大変でした。
熊野那智大社
再びバスに戻り、少し走って那智山観光センター前に停車。
15:10~16:15という長い自由時間の間に、山を登って2つの寺社を参拝します。
山登りなので、467段の石段を登らないといけません。
那智山観光センター前には、ちゃんと杖も用意されています。
私たちは杖なしで登ってみました。
石段の途中には、さりげなく郵便局もあったりしてびっくり。
あちこちに土産物屋もあって、店の人たちが声をかけて、励ましてくれたりもしました。那智らしく、「那智黒」(黒飴)や、那智黒石の碁石なども売られていました。
鳥居はあちこちに建っていますが、なかなか目指す神社にたどり着けません。
汗だくになってやっと到着!と思ったら、境内整備事業のために御本殿も拝殿もこの中にあって、ちょっとびっくり。
内部はとてもきれいです。主神の大己貴(オオナムチ)神はあの大国主命で、この神が飛瀧権現(ひろうごんげん)として姿を現したのが、那智の滝なのだとか。
那智の扇祭り(那智の火祭りの名で有名)で使用される大松明。大迫力です。
この建物は宝物館。ちょっとバスツアーでは行く時間がありませんでした。
境内からの見晴らしは素晴らしい!こんなに上ってきたんだと実感できます。
青岸渡寺
那智山上には、熊野那智大社と青岸渡寺(せいがんとじ)が隣接しています。
この寺院は、伝承によるとインドから渡来した裸形上人が、那智の滝の滝つぼから金の如意輪観音像を得て、それをご本尊としたのが始まりなのだとか。
やがて神仏習合思想により、那智の滝の神(飛瀧権現)と観音菩薩が同一視され、那智の山や滝で修行する修験者が集まるようになりました。
やがて西国三十三カ所巡礼の一番札所として有名になり、明治の廃仏毀釈の際、同じく神仏習合の聖地だった本宮や新宮では寺院が破却されたけれど、那智だけは人々が寺院を守り通したのだとか。
ここも近年台風の被害がひどく、屋根の吹き替え作業が行われていました。
観音様に大漁も祈願した、地元の人々の祈りが伝わります。
寺院の外からは、滝が一望できてとてもいい眺めでした。ここまで登ってきた甲斐があり、疲れも吹っ飛びます。
那智は観音菩薩が住むという補陀落(ふだらく)浄土に例えられた聖地。
大学時代、半村良さんの『妖星伝』に衝撃を受けたのが思い出されます。
参拝の記念に
熊野那智大社でも牛王宝印(ごおうほういん)を購入しました(500円)。
熊野那智大社の牛王宝印はカラス72羽を使って神文を書き、熊野詣の印として、神棚や家の入り口などにお祀りするといいそうです。
神棚のない我が家はどこにお祀りしようか、思案中です。
悪魔退散、結(むすび)の熊野権現の信仰を伝え、古来より起請文に使われていることでも有名ですね。
御朱印も添乗員さんに予約して、いただくことができました(300円)。
なお、西国三十三カ所の青岸渡寺の御朱印が必要なら(私は以前に参拝して頂きましたが)、ご自身でお求めください。
最近は御朱印ブームなのか、外国人観光客も集めているようでした。
そして忘れてはならないのが、「延命長寿の水」。飛瀧神社でも有料拝観場所でいただけますが、ここでは無料で誰でもいたたくことができます。ペットボトルや水筒があれば、ぜひ水を汲んでみてくださいね。
タオルや顔を洗う場所は、別に用意されていました。
この後は、熊野古道をほんの少しだけ歩きます。どんな道なのか、お楽しみに。
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