2020年12月30日(水)、弘前公園と弘前城を観光した後は
津軽藩ねぷた村を見学しました。
弘前城からは、徒歩で6分ほど。
入場料は大人1人550円(売店エリアは無料)。一部しか訪れる機会がありませんでしたが、見所がたくさんありました。
ねぷたとねぶたの違いは? 個性あふれる3つの祭り
弘前ねぷた館に入館するとすぐ、女性スタッフが弘前のねぷたについて、解説してくれました。
遠慮しないで、前の方で聞いてみましょう! ストーブもとても暖かい!(カメラの結露に注意)
弘前ねぷたは、扇形の「扇ねぷた」(右)が特徴ですが、人形型の「組ねぷた」もつくられます。
一方青森のねぶたは横長で、五所川原のは立佞武多(たちねぷた)の名の通り、縦に長いものだと知りました。両方とも人形型の組ねぷたです。
弘前市は扇ねぷたが中心。上の写真が回転すると
こうなります。ねぷたが回転するなんて知らなかった!
また、このねぷたの下には「雲漢(うんかん 右から読みます)と書かれていますが、これは中国語で天の川のこと。
ねぷた祭りは七夕祭りから発展したとの説もあり、こう書かれるようになったとのことでした。面白いですね。
弘前の扇ねぷた
ねぷたの起源については、3つ紹介されていました(村内施設のねぷたの間「ヤーヤ堂」にあり)。
個人的には、農民行事説ではないかなと思っていますが、坂上田村麻呂や藩祖・津軽為信公など、有名人にちなむ説もロマンがありますね。
弘前市では、人形型の組ねぷたより、扇ねぷたが断然多いそうです。
弘前ねぷたの館でも、美しい扇ねぷたをたくさん見ることができました。
江戸時代までは、普通の灯籠流しのような簡素な角燈籠でしたが、やがて人形をかたどった組ねぷたになり、さらに明治中頃から、扇ねぷたがつくられたようです。
津軽藩の藩祖・津軽為信公の幼名が「扇」だった、或いは「扇は末広がりだからめでたい」などの理由があるらしいですが、人形のデザインが変わると全て最初から作る組ねぷたに対し、扇ねぷたは、表面の絵だけを新調すればよく、骨組みは毎年使えるという大きなメリットがありました。
つまり「エコ」で「SDGs」なのが、弘前ねぷたのようですね。
気のせいか、青森のねぶたよりも女性が多く描かれているようで、優美な感じもしました。
城下町という土地柄もあるかな?
ねぷたの運行は大変!
優美な外観だけれど、ねぷた運行の際には、電線や障害物をうまくかわすために男性たちが乗り込んでいるというのも初めて知りました。
祇園祭の山鉾でもそういう人たちがいますね。
これは運行の様子を紹介した模型です(村内施設のねぷたの間「ヤーヤ堂」にあり)。
昔のねぷたはろうそくを使用していたため、よく燃えたそうです。
そのため登場したのが、上の写真の両側にある「ささら」という道具。
この道具の先端に水をつけて運行に付き添い、ねぷたが燃えるとこれで火を消したそうです。大変ですね!
ちなみに今では、工業用発電機を使うことが多いようでした。
ユニークなねぷた
弘前ねぷたの館2階には、組ねぷたも展示されていました。
福助や金魚、
タコなど、ユニークなのもありました。
今年らしさを感じる扇ねぷた。来年は見ることがありませんように。
幻想的な金魚ねぷた
弘前ねぷたの特徴の1つが、金魚ねぷた。
「津軽錦(つがるにしき)」という津軽独特の金魚を津軽藩の殿様がかわいがっており、庶民の憧れだったけれど高嶺の花だったため、これに似せた組ねぷたがつくられるようになったという説があるそうです。
現在では、子供たちが提灯のように持ち歩くのだとか。
闇夜に浮かぶ金魚の提灯はとても幻想的で、どこか不思議で怖い感じすらします。
大好きな森見登美彦さんの作品『宵山万華鏡』を、ふと思い出しました。
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