2022年8月6日(土)、知床五湖トレッキングツアーに参加しました。
ツアーはVELTRAで申し込んだのですが、多くの会社のツアーがありました。その中で、かなり前日まで変更など融通が利きそうだったピッキオ知床の半日ツアー(午前の部)選択しました。大人1人5,100円です。
この時間帯のツアーを予約したのは私たちだけだったので、ガイドの山崎さんの説明を独占できました。
クマゲラの痕跡
一湖へ向かう途中、山崎さんが面白い形の穴が開いた木を見せてくれました。
こんな大きな穴が開いた木を、今まで見たことなかったのでびっくり! これが日本に生息するキツツキの中で最大のクマゲラが開けた穴でした。木の中にいるアリやキクイムシなどを主に食べている鳥です。
クマゲラなどキツツキが堅い木の幹に穴を開けることで(他の動物では、なかなか穴を開けることができないそうです)、病気などで弱った木が早く倒れるのを助け、ほかの鳥の巣穴づくりも助けています。
また、元気な木にも入り込んでいる虫を食べることで、元気な木を助けることにもなっているのだとか。
キツツキは森を育てると言われているそうです。私たちがツアーで利用した会社の名(ピッキオ)も、イタリア語でキツツキという意味だと教えていただきました。
帰化植物が知床五湖の名物に!
いよいよ最後の湖、一湖に到着。
目につくのが、湖面に広がるスイレンでした。
まるでモネの名作を思わせるスイレンですが、実はもともと知床五湖にあったものではなく、大正時代の開拓期に人為的に持ち込まれた植物なのだそうです。
この時は白いスイレン(ヒツジグサ)が花を咲かせていました。
厳しい開拓生活を送った入植者たちが、日々の癒しのため、美しいスイレンを導入したのでしょうか。元々の知床の自然に存在しない植物なので問題はあると思うのですが、今では知床五湖の夏の風物詩になっています。
一湖~四湖に生息する銀ブナも、入植者たちによって放流されたそうです。
高架木道から見た風景の意味するもの
一湖を堪能した後は、階段を上がって
昨日の定期観光バスツアーで自由散策した高架木道へ。
昨日と全く同じ道を通って帰るのですが、途中、ヒグマの発見報告があったり(見ることはできませんでした)
この、樹木のない風景が続く理由を教えていただいたりと、とても濃密な時間を送ることができました。
私たちが感動していたこの光景は、元々は入植者が暮らしていた開拓地の跡地。大正時代(1914~15年)に始まった開拓は、1960年代に知床が国立公園になると入植者が次々離農し、不動産業者が土地を買い取り、乱開発する危険に見舞われたそうです。
「秘境知床」の自然を守るため、ナショナルトラスト運動で土地を買い取り(しれとこ100平方メートル運動)、そこに森を再生させるという壮大なプロジェクトが、今も進行しています。これから森が育つ場所なんですね。
きっと道の途中にある案内板をしっかり読めばわかることなのでしょうが、昨日は風景に気を取られ、全く気が付きませんでした。知床の自然や歴史を熟知しているネイチャーガイドの山崎さんと、ゆっくり話をしながら歩いたからこその学びがたくさんあった、とても有意義なトレッキングツアーでした。
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