2022年12月30日(金)、福江島2日目です。この日は終日、五島タクシーの中野運転手に、島内を案内していただきました。
カトリック三井楽教会
遣唐使ゆかりの地として名高い三井楽ですが、福江島の他の地域と同様、潜伏キリシタンもいました。
空海を顕彰した「辞本崖(じほんがい)の碑」へ行く前に、
嶽(だけ)集落にあるカトリック三井楽教会に案内していただきました。
三井楽にも江戸時代の中期頃から潜伏キリシタンが移住し、この嶽集落には、1842(天保13)年、長崎の浦上で起きた大規模なキリシタン摘発事件(裏紙二番崩れ)で放免された信者の一部が住み着いたそうです。
1868(明治元)年、久賀(ひさか)島に端を発した大規模なキリシタン摘発(五島崩れ)は三井楽にも及びましたが、
楠原(くすはら)と同様、死者や棄教者を出すことなく、1871(明治4)年には全員放免されました。
教会は1880年に木造の教会が建てられましたが、老朽化により1971年に新しい教会が建てられたそうです。
ゴシック様式の伝統的な教会建築を、今日はいくつか見たのですが
この新しい教会は
とてもモダンな教会だったので驚きました。
諸聖人をテーマに描かれたモザイク壁面。貝殻や陶器などが使われているそうです。
教会内部も入口から、少し見ることができました。
入口には、信者さんの「myスリッパ」が並んでいて、
学校の上履きのようで、とても微笑ましかったです。
ステンドグラスは、地元のボランティアグループによって数年がかりで作成され、2005年に完成したのだとか。
イエスの生涯や五島におけるカトリックの歴史が、ステンドグラスによって描かれていました。
五島におけるカトリックの歴史を描いたステンドグラスは、外からも見ることができました。
堂崎天主堂で、運転手さんから説明を聞いていたのでなんとなくわかったと思います。聞けて良かった!
オレンジロードと渕ノ元カトリック墓碑群
「辞本崖の碑」を見学した後、私たちのタクシーは海沿いの道を走ってくれました。
ここは「オレンジロード」という道。
写真ではわかりにくいですが、舗装がオレンジ色になっています。美しい夕日がみられる場所として、有名なのだとか。
オレンジロード沿いには、多くの墓碑も見えました。渕ノ元カトリック墓碑群です。
渕ノ元には、寛政年間に五島藩の移民政策によって大村藩から農民が移住するよりも前の1776年、長崎県の西彼杵(にしそのぎ)半島外海(そとめ)地区から14家族78人が願い出て移住しています。外海地区は、潜伏キリシタンの多くが五島に移る前に住んでいた場所。映画『沈黙 -サイレンス-』に出てくる架空の村「トモギ村」も、外海をモデルに描かれているそうです。
そのように長い、三井楽の潜伏キリシタンの生活の歴史を、墓碑がしのばせてくれます。
さらに進むと、三井楽長崎鼻灯台も小さく見えてきます。
次に訪れる時には、ぜひ、夕日のきれいな時間にタクシーで(自分では運転できない)この辺りを走ってもらいたいなと思いました。
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