牧野富太郎の終の棲家へ
NHK連続テレビ小説『らんまん』もそろそろ大詰め。
主人公のモデルとなった高知県出身の植物学者・牧野富太郎のゆかりの地・高知県を昨年訪れる機会があったのですが
今年の春も、ゆかりの地をいくつか訪れる機会がありました。
最後にご紹介するのは、東京都練馬区にある、練馬区立牧野記念庭園です。練馬区と言えば今年オープンした「メイキング・オブ・ハリー・ポッター」が有名ですが、牧野富太郎ゆかりの地もあるのですね。実はここが、関東大震災後に牧野富太郎一家が移り住んだ、富太郎の終の棲家だったのです。
最寄り駅は、西武池袋線の大泉学園駅。訪れたのは2023年3月18日(土)。午前中は小石川植物園を訪れていましたが、午後になっても雨はなかなかやみません。
公園までの道には、翌月からのドラマ『らんまん』とタイアップ?しているような旗。
そして住宅街の一角に、練馬区立牧野記念庭園がありました。入場料は無料です。
季節外れだけれど、牧野富太郎にゆかりの植物を発見!
さっそく中に入ってみましょう。
来月から放映される『らんまん』のポスターも貼られていますね。
3月の中旬なので、植物園の中はどちらかと言えば花が少なく殺風景。でも入り口や塀のあたりに、ハクモクレンの花が咲いていました。
庭園には、牧野富太郎の像。よく見る写真の富太郎は、おしゃれに洋装しているのですが、この富太郎像はかなり年配で和装しているのが(家での普段着かな?)とても新鮮でした。
牧野富太郎を語る上では欠かせないスエコザサ。スエコザサはいつ見ても、雨の時でも変わらぬ姿を見せてくれます。
兵庫県民なら皆知ってる(?)県の花ノジギクもありました! 残念ながら花の時期は秋です。
余談:牧野富太郎とノジギク
ところで『らんまん』第21週のタイトルに『ノジギク』が採用されていました。
この週の話は、その翌週に放映された台湾調査旅行が1896年のことだから、日清戦争後の1895~1896年の設定。
岩崎弥之助(岩崎弥太郎の弟。弥太郎の死後、三菱財閥2代目総帥となる)の主催した「菊比べ」に登場しました。
でも個人的には、牧野富太郎とノジギクと言えば、関東大震災後の1925年、兵庫県印南(いんなみ)郡大塩村(現在の姫路市大塩)の塩田地帯で牧野富太郎がノジギクの一大群落地を発見し、「日本一の群落地」と学会で発表したエピソードが好きなのです。
富太郎のおかげで大塩の群落地は全国的に有名になり、兵庫県がノジギク自然分布の東限ということもあって、1954年に兵庫県の花にノジギクが選ばれました。上の写真は大塩のノジギクです(出典は『牧野富太郎と神戸』白岩卓己 のじぎく文庫)。
県の花となったので、「のじぎく兵庫国体」「のじぎく賞」「のじぎく会館」など、兵庫県にはノジギクに関わるものが多いです。
まぁ兵庫県民なので、もう少し『らんまん』で、大塩のノジギクの大群落の話を入れてほしかったなとも思うのですが、牧野富太郎と槙野万太郎の物語は違うから、仕方ないかな。
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