江戸時代の「聖地巡礼」の痕跡が京都にあった!
前回ご紹介した、京都市下京区の住宅街の中にあった鉄輪(かなわ)の井戸ですが、
この近くに、『源氏物語』の舞台の1つと考えられている地点がありました。
それは下京区の「夕顔町」。とてもきれいな地名ですね。なんと、鉄輪の井戸から徒歩2分! これは行くしかない!
行ってみると、夕顔町も観光地らしくない、普通の住宅街でした。でもこの石碑を見つけました。「夕顔之墳」と刻まれています。
この石碑の建つ民家の中庭に、江戸時代の好事家が『源氏物語』に登場する女性・夕顔の墓を建てたそう(墓は非公開)。
『源氏物語』で、光源氏と夕顔が最初に出会う場所が「五条辺り」と書かれています。きっとこの辺りなのだろうと、熱心なファンが「聖地巡礼」に訪れていたのでしょうか。今ある石碑は、1929(昭和4)年に建立されたそうです。
『源氏物語』がモティーフのパンもある素敵なパン屋
夕顔町のすぐ近くには、とてもおしゃれなパン屋があるとTV番組で紹介されていたので、行ってみました。
店の名は「Boulangerie MASH Kyoto(ブランジェリーまっしゅ京都)」。
町屋建築にも溶け込んでいる、とても素敵な外観です。全く気が付かなかったのですが、私たちが好きでよく見ていたNHKの『京都人の密かな愉しみ blue 修行中』で、ロケ地となっていたと知ってびっくり!
パン職人見習いの上町葉菜(演じるのは今月から放映開始のNHK朝の連続小説『ブギウギ』の主人公を演じる趣里さん!)が修行していた「玉井パン」という設定だったそうです。その他にもいろいろなメディアに取り上げられている人気店でした。
開店と同時に行ってみたのですが、お客さんが多く、少し並びました。
テレビで紹介されていた「京菓子パン」だけではなく、京野菜を使った総菜パンも美味しそうで
いかにもドラマで、葉菜ちゃんが焼いていそうなパンでした。
美味しそうな、かつユニークなパンばかりで目移りしてしまいます。まずは一番欲しかった「六条御息所」! 高貴な出自を金箔で表現し、生霊になってほかの女性を呪い殺す黒い情念を、ブラックカカオやジャムで表現しているのだとか。
中はこんな感じです。カスタードクリームも濃厚で美味しい! 「大人の女性」という感じかな。
こちらは一転して可憐な「花のいろは」。スミレが美しい! パンの白さが際立って、まるで和菓子。
日本酒を使用した酒種の生地で、中には紫芋の餡。可憐な「若紫」のイメージかな?
そしてこちらも人気の「夕顔」。白パンに西京味噌のクッキーを乗せた変り種クリームパン。クッキーには柚子味噌が塗られているそうです。
黄身餡を使ったクリームが珍しい!
そして花の時期限定の桜のパン。桜の塩漬けもトッピングされています。
中はこしあんで、パンということを忘れそう。白玉団子も入っていました。
夕顔や六条御息所など、ゆかりの地の女性たちがパンになっているのはなかなか面白いです。最寄り駅は阪急四条烏丸駅か、地下鉄烏丸線の四条駅です。一番南端の仏光寺方面出口が便利ですよ。
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