三室戸寺へと続く「かげろうの道」
前回ご紹介した、伊藤久右衛門宇治本店茶房から20分ほど歩いた場所に、三室戸寺(みむろどでら)という寺院があります。
この寺は、西国三十三か所霊場の1つ(十番札所)として、そして紫陽花(あじさい)が美しいことでとても有名です。
宇治市源氏物語ミュージアムから三室戸寺へと続く散策路・「かげろうの道」もありました。
この道の名は、『源氏物語』「宇治十帖」の「蜻蛉」(かげろう)の巻から採られています。
途中には「蜻蛉の古跡」と呼ばれる「蜻蛉石」もありました。
石に刻まれた阿弥陀三尊像が「蜻蛉石」。平安時代後期の作だそうです。『源氏物語』の「蜻蛉」では、三角関係に悩んで浮舟が失踪した後、残された家族が形ばかりの葬儀をし、匂宮と薫も悲しみに沈むという話です。2人とも立ち直るために新しい恋を探しているところが、現実味がありますが。
それにしてもなぜこの石が、「蜻蛉の古跡」なのかはわかりません。阿弥陀三尊像に、はかない恋や入水した(未遂に終わりますが)浮舟のイメージが重なったのでしょうか。
紫陽花が美しい三室戸寺
三室戸寺に到着しました。
この時はコロナ前で、紫陽花を見に行きました。
一面の紫陽花が美しい!
庭園の広さは、予想以上でした。
私は青紫の紫陽花がお気に入り。
でも他の色の花々も美しい!
紫陽花以外の花も咲いていて、
とてもお得感がありました。
境内のパワースポット
石段を上がると
ご本尊の千手観音を祀る本堂です。
ご本尊は秘仏なので公開されていませんが、本堂前に、撮影可能なパワースポットがありました。
それがこの「宝勝牛」。この近くの農家で飼っていた子牛が弱々しかったので、三室戸寺にお参りするたび境内の草を食べさせたところ、ある日子牛は玉を吐き出しました。その後はたくましく成長し、闘牛大会でも優勝したのだとか。農家も賞金を元手に、牛の仲買業で成功。感謝した農家がこの像を寄進しました。牛の口の中にある玉をなでて、勝利を願うといいそうです。
相撲界の大スター若乃花・貴乃花兄弟の手形です。彼らもここで、勝利を祈ったのですね!
その向かいにある狛兎も、「福徳兎」と呼ばれており、丸い玉を持っています。
丸い玉の中にあるのは卵の像。これをうまく立てられたら、願いが叶うとか。難しいらしいし、行列ができていたので今回は断念。
このとてもインパクトある宇賀神(うかがみ)も、福の神だそうです。階段を上った近くにありました。この時は知らなかったのですが、像の耳を触れば福が来て、髭を触れば健康長寿。しっぽの先は金運アップなのだとか。
春のしだれ梅も美しい
2023年3月、三室戸寺のしだれ梅園に行く機会がありました。
本堂からは少し離れた山の斜面にありました。ちょっと急な坂もありますので、足元に注意が必要。
紅白のしだれ梅250本が植えられていました。
色も美しいですが、香りもなかなか良かったです。
まだ新しい梅園で、2022年にオープンしたばかりとか。記念に「しだれ梅飴」も頂くことができてよかったです。
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