加賀屋雪月花 海側の客室
2021年6月に初めて能登半島を訪れ、タクシー半日観光の後は今夜の宿・和倉温泉加賀屋へ。
言わずと知れた高級旅館で、なかなか手が届かない。でもGo To トラベルの恩恵と、職場の大きなイベントが何とか終了したタイミングで、半分御褒美も兼ねて宿泊することに。
チェックインは広いロビーで手続き。この日は日曜日で宿泊客が少ないようで、ワンランク上の部屋にアップグレードしていただきました。10階の女郎花22です。
玄関のある純日本風客室で
和室が広々としていて
さらに控えの間がありました。
嬉しいことに、広縁にはイスとテーブル。そして海の眺めが素晴らしい。対岸は能登島かな?
洗面台も2つあるし、アメニティも豊富で、慌ただしい朝には2人同時に使えて便利そう。
我が家よりもこの客室の方が、断然広いのではと思ってしまいました。
客室係の心配りと美味しい茶菓子
加賀屋は和風旅館なので、部屋には担当の客室係がついて、心のこもったおもてなしをしてくれました。
窓際の席に案内していただき、お茶とお茶菓子で先ず一息。このお茶菓子は加賀屋オリジナルの「くず金時草」。
金時草(きんじそう)は金沢で栽培される加賀野菜で、正式名は水前寺菜(すいぜんじな)というキク科の多年草。源泉地は東南アジアで、ビタミンAやカルシウム、鉄分なども豊富。葉の裏が紫色で、葉のエキスで葛が美しい紫色に染まり、中のこしあんを包んでいます。上品で口当たりがよく、夏らしいお菓子でした。
食べながらふと窓の外を見ると、窓の外にウミネコが! かなり至近距離なのですが、全然人を怖れません。
ウミネコがいた方向の眺めは、こんな感じ。七尾湾は地形の関係で、冬でも波は穏やからしいです。
加賀屋や和倉温泉のことを客室係(今回お世話になったのは女性ですが、男性もいるようです)に教えてもらい、彼女が退室した後、部屋でテレビを見たり
部屋に備えてある茶器セットでお茶を入れてみたり。
湯呑は九谷焼。さすが石川県の旅館です。
食事は部屋食 イスとテーブルで食べる感動の和食
夕食は部屋食で、客室係がサービスしてくれました。広縁のイスとテーブルで頂きます。
最初にノンアルコールの「食前」。紫蘇はちみつです。初めて飲みました。6月らしくていいですね。
箸袋や
箸置きにもこだわりを感じます。
今回ドリンクは生ビールと、ゆずはちみつドリンクにしてみました。
テーブルに出されたのは、先付の鰻と加賀太胡瓜(かがふときゅうり)、そして石川県南部の能美(のみ)市特産の加賀丸芋(山芋の一種)をすりおろし、寒天を加えて冷やし固めた「養老豆腐」という料理。
前菜にはこれらの品々。紙に包まれているのが、能登名産の干し口子(くちこ)。なまこの卵巣の塩漬けです。反時計回りで、姫サザエ香草焼き、加賀屋オリジナルのイカ海女漬け(イカの醤油漬けに蒸しうにを加えたもの)、甘えびの山椒煮、ピンクの茗荷(みょうが)寿司、黄色い「えびす」(たまご寒天)など。能登らしい料理や食材が多くて新鮮です。
次は光吸物。器は輪島塗かな?
あいなめという魚(淡白で美味しい)を葛粉をつけて茹で、ジュンサイと吸い物にしています。
本日のおすすめのお造り。殻付きで出てきた雲丹を、初めて見ました(感動)。
煮物は郷土料理の合鴨治部煮。加賀のすだれ麩も入っています。「治部」ですが、石田三成とは関係なさそう。
能登独特の「いしる」(魚介を発行熟成させた調味料)鍋。具はアワビやホタテ、イカのつみれ、黒海苔、神馬草(じんばそう 別名ホンダワラ)。そろそろおなかがいっぱいになってきましたが
焼き物があった! 国産牛(能登牛?)を吟醸みそ昆布で焼いています。昆布も北陸らしい食材でした。
ほとんどご飯が食べられません。本当に申し訳ない。みそ汁にはワタリガニ。
お椀の蓋も美しい。
最後のデザートは、加賀棒茶(加賀で生まれた甘く香ばしい香りのほうじ茶)のムース、季節のフルーツ、枇杷コンポートゼリー。加賀棒茶というのも初めて知りました。
能登や加賀の食材や料理を堪能し(お品書きの解説も素晴らしい)、郷土料理をゆっくり味わうことができました。
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