ステンドグラスのある神門
2024年4月20日(土)、久々に金沢を訪れた私たちは、「忍者寺」という別名もある妙立寺(みょうりゅうじ)を見学し、グリルオーツカで金沢名物料理「ハントンライス」のランチを頂いた後、長町武家屋敷跡を訪れました。
次の目的地は、尾山(おやま)神社です。廃藩置県後の日本各地で流行した、藩祖を祀る神社の1つで、加賀藩の場合は前田利家と正室のまつ(芳春院)が主祭神。
神社の正門である神門が、とてもユニークでびっくり! 階段の上にそびえている建物で、よく見ると最上階にギヤマン(色ガラス)がはめこまれ、まるでステンドグラス。かつては最上階に御神灯がともされ、日本海を航行する船の安全を見守っていたそうです。
私も夫もこの門のことは全く知らなかったのですが、和漢洋の三様式を混用した異色の門として、兼六園と共に全国に知られている「金沢のシンボル」なのだとか(重要文化財)。そういえば屋根や窓の形が中国風で、竜宮城や禅宗寺院を思い出させます。
1873(明治6)年に尾山神社が建立され、神門は1875(明治8)年に完成しました。斬新なデザインには反対意見もあったようですが、当時の文明開化期の風潮や、「加賀百万石」前田家の威光を表現したいという人々の気持ちがよく伝わってきます。
順和風建築の神門扉には前田家の家紋「加賀梅鉢」。神門内部は非公開とのことですが、できれば拝観してみたいなと思いました。
主祭神は利家とまつ
尾山神社は、元々は前田家別邸だった金谷(かなや)御殿の跡地に建てられました。
立派な拝殿の天井や欄間は、その金谷御殿から移築したそうです。
旅行の無事を祈ります。主祭神が利家・まつ夫妻なので、必勝、文武両道、夫婦円満、子宝安産、家内安全、社運隆昌(商売繁盛)など、色々なご利益がある神社。
御朱印(500円)を頂きました。クレジットカード決済だったのでびっくり!
境内には、織田信長の赤母衣(あかほろ)衆として活躍した前田利家像。母衣とは、矢や石などから防御するため、兜や鎧の背に巾広の絹布をつけて風で膨らませるものです。
大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」でも注目された、まつ夫人(芳春院)の像もありました。でも彼女が主祭神として合祀されたのは、1998(平成10)年。大河ドラマ「利家とまつ」放映の4年前だったのですね。有名な藩主夫人だから、もっと早くから祀られていたと思っていたので、とても意外でした。
神苑の菊桜と金谷神社
境内には、大きな池もあったので、そこで一休み。この庭園(神苑)は、「楽器の庭」とも呼ばれ
池に浮かぶ島や橋には、雅楽の楽器にちなむ名前が付けられています。
日中は少し汗ばむほどの陽気でした。池のほとりの木陰は、ちょうどいい休憩場所。
1つの花に、300枚以上の花びらがあるという、神苑の「菊桜」はちょうど見頃。1970年に枯死した兼六園の菊桜(天然記念物でした)の枝を接木して、寄進された桜です。
2代藩主・前田利長から17代までの加賀藩主や前田家当主、その正室などが祀られている摂社の金谷(かなや)神社。よく考えてみると、2年前に訪れた東京目黒区(駒場公園)の旧前田家本邸洋館と和館を建てた16代当主・前田利為(としなり)侯爵夫妻や、長男の17代当主・前田利健(としたつ 1989年没)夫妻も神として祀られているのです。改めて「前田家」のすごさに思い至りました。
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