越前国司が祈りを捧げた總社大神宮
2023年8月末、NHK大河ドラマ『光る君へ』で描かれる紫式部が、京都以外で唯一暮らした福井県越前市武生(たけふ)を訪れました。父・藤原為時の越前国司就任に伴い、彼女も同行したのです。
「紫ゆかりの館」や「紫式部公園」を見学し、念願のボルガライスも「ヨコガワ分店」で頂いた後は
「ヨコガワ分店」のすぐ近くにある總社(そうじゃ)大神宮へ。
日本各地に「総社」という名前の神社がありますが、多くは律令制での「国」内の神社の祭神を集めて祀った神社のこと。主祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。大国主命という別名を持つ、国土経営の神で土地の守り神でもあります。
国司着任後の最初の仕事は、赴任した国内の定められた神社を、順に巡って参拝することでした。しかしこれは大変なので、平安時代になると国府の近くに総社を設け、そこを参拝することで巡回を省くことになりました。
紫式部の父・藤原為時も、着任早々ここで参拝したのでしょう。
紫式部も、参拝したかもしれませんね。
この神社周辺は、国府があったとされる地点の有力候補だということですが
境内には、しっかり「越前国府」の石碑がありました。早く国府の跡が、発掘調査で見つかればいいですね。
伝統的な町並みと、いわさきちひろの生まれた家
總社大神宮の近くには、「蔵の辻」という伝統的建築物を生かした町並みがあるのですが(観光名所にもなっている)、
勉強不足でそれに気が付きませんでした。
でも武生の町並みはとても美しくて、
特に観光名所でなさそうな場所でも
伝統的な店構えに出逢えました。
絵本作家として有名ないわさきちひろが生まれた家も、そんな町並みの一角にありました。かつて、質・古着商が営まれていた商家だったそうです。現在は「ちひろの生まれた家」記念館になっています(入場料300円)。
ここがちひろの実家というわけではなく、単身赴任して武生町立実科高等女学校の教師として勤めていた母親が、出産のためにこの家の離れを借り、そこでちひろが誕生しました。その翌年に母子は東京へ移り、一家そろって東京で暮らすことになったのだとか。
今回は帰りの列車の時間が気になって、記念館に入ることはできませんでしたが、伝統的な町屋の内部も見てみたかったです。ちなみに「蔵の辻」と「ちひろの生まれた家」記念館は、両方とも越前市500円定額タクシーの乗降可能場所。總社大神宮の場合は、「ヨコガワ分店」からタクシー乗降が便利です。詳しくは、こちらをご覧くださいね。
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