石田三成を演じた人たち
今まで多くの方々が、石田三成を演じてこられました。
NHK大河ドラマと、民放の大型時代劇だけでもこれだけあります(多分もっとありそうです)。
- TBS
『関ヶ原』(1981年、演:加藤剛) - 大河ドラマ
『太閤記』(1965年、演:石坂浩二)
『春の坂道』(1971年、演:中村敦夫)
『国盗り物語』(1973年、演:佐山泰三)
『黄金の日日』(1978年、演:近藤正臣)
『おんな太閤記』(1981年、演:宅麻伸)
『徳川家康』(1983年、演:鹿賀丈史)
『春日局』(1989年、演:伊武雅刀)
『秀吉』(1996年、演:真田広之、子役:小栗旬)
『葵 徳川三代』(2000年、演:江守徹)
『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』(2002年、演:原田龍二)
『功名が辻』(2006年、演:中村橋之助)
『天地人]』(2009年、演:小栗旬)
『江〜姫たちの戦国〜』(2011年、演:萩原聖人)
『軍師官兵衛』(2014年、演:田中聖)
『真田丸』(2016年、演:山本耕史)
これに加えて今年の夏には、映画『関ケ原』で、岡田准一さんが石田三成を演じられます。
小栗旬さんは、子役時代を含めると、2回も大河ドラマで三成を演じておられたと知ってびっくり。
石田三成のイメージ
このリストを見る限り、知性的な二枚目俳優が主に三成を演じていたように思えます。
でも昔は、石田三成はどちらかといえば悪役っぽくて、あまりいいイメージは持てませんでした。
頭はいいけれど、どこか冷たくて、暗い感じがしたような。
そのイメージを覆したのが、TBSドラマ『関ケ原』の石田三成役・加藤剛さん。
このドラマは、石田三成を豊臣家への忠義を貫く人物として描きました。
石田三成の生涯については、こちらをご覧ください。
司馬遼太郎・森繁久彌・加藤剛さんが語る、三成への想い
小説『関ケ原』原作者の司馬遼太郎さんが、このドラマのために、森繁久彌さん(徳川家康役)や加藤剛さんと鼎談しています。
鼎談自体は、最近のトーク番組と違い、かなりぎごちない部分が多かったのですが、それでも三者三様の想いを感じることができました。
司馬さんは、豊臣政権内での家康の立場を副社長、それに対して三成の立場は課長クラスと捉え、格が違うのに、とにかく互角に近い形で合戦に持っていたのがすごいとおっしゃっていました。
確かに、関東に250万石の領地を持っている家康と比べると、近江佐和山19万石の領主でしかない三成は、普通に考えれば太刀打ちできません。
司馬さんによると、家康にすれば関ケ原の戦いは戦争ではなく、自分の天下取りを正当化するための宣伝媒体やページェント(野外劇)のようなもので、結末は戦う前から、楽屋裏で決まっていたとのこと。
だけど三成は、本気で正義は貫けると思っていたらしいのです。
加藤剛さんが、石田三成について「正しい人は生きにくい。」と話していたのが印象的でした。
手練れの島左近から見たら、三成は本当に(純粋な)子供みたいなものだったのでしょう。
三成の好きな「〇〇せねばならない」という規律主義は、日本人にはなじみにくいという話もありました。
私もとても苦手です。
でも森繁さんの言うように、勝者の徳川家康は、三成のこの規律主義を江戸時代に取り入れたのでしょう。
三成は戦いで敗れはしたけれど、家康にも影響を与えた、と思いたいです。
最近の三成像
最近の大河ドラマでは、石田三成はちょっと嫌な役の時もあるけれど、昨年の『真田丸』のように、豊臣家への忠義に生きた人という描き方もあり、作品の主役との関係によって、様々な面を見せてくれます。
個人的には、頭が良くて正義感が強くてまっすぐな人だけれど、誤解されやすいタイプで友達が少なく、ストレスで下痢をしやすい過敏性腸症候群の疑いが濃厚な人なのかな、と思っています。
アニメ『妖怪ウォッチ』でも、2014年12月に石田三成が登場していたのでびっくり。
第47話『妖怪軍師ウィスベェ』(『軍師官兵衛』のパロディー)に登場して、決断力がやや弱いけれど、とても素敵な戦国武将として描かれました(感動します)。
画像は『あにこ便』より引用させていただきました。
また、昨年秋(2016年9月)に彦根に行ったとき、JR彦根駅構内にこんなポスターがありました。
来年から彦根市ゆかりの井伊家が主役の『おんな城主直虎』が始まるというのに、井伊家よりも、こちらのほうが断然目立っていました。
実は滋賀県は、昨年から「石田三成×滋賀県」というポータルサイトを運営しているのです。
昨年話題になった三成のCM も、記憶に新しいところです(2作とも面白い!)。
司馬遼太郎さんが上記の鼎談で、滋賀県で公害被害を受けた人が「石田三成が生きておれば、こんなことはなかった。」と語ったと紹介していた話も、印象的でした。
民から愛された佐和山城主・石田三成は、今でも滋賀県民の心にしっかりと息づいているようです。
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