ここ数年、フランスに行く機会が複数回あり、フランス国内の移動ではよく鉄道を利用しました。
大体は、フランス国鉄SNCFを利用しています。
鉄道での移動はとても便利なのですが、日本とは違う所や、印象に残った点もありました。
今回はそれらをまとめてご紹介します。
20分前にならないと、列車のホームがわからない
日本なら、行先によってあらかじめホームが決まっているものですが、フランスでは、発車20分前にならないと、どのホームに列車が入ってくるのかわかりません。
この方式のメリットは何なんだろう?
未だにわかりませんが、郷に入れば郷に従え。
皆、列車の到着案内掲示板の前に集まって、表示が出るのを今か、今かと待っています。
表示が出たら、一斉に移動開始。
突然の運休
日本では、人身事故や気象警報発令などの時以外は、列車は来るのが当たり前ですが、フランスでは突然運転がキャンセルされることがあります。
遅れることも、たまにあります。
フランス人なら、フランス語アナウンスなどで理由がわかるのかもしれませんが、私達には何が起こったのか全く分かりません。
1時間に1本くらいしかない列車が運休されたりすると、もうガックリ。
エスカレーターが見つからない!
フランスでは、改札口を出ると階段を下りて線路の下を通る地下道を歩き、階段を上ってホームへ出るというタイプの駅を多く見かけました。
日本ならこういう場合、割とエスカレーターがあるのですが、フランス国鉄の場合はエスカレーターが見つからないことがよくあります。
スーツケースを抱えて階段というのは、できれば避けたい。
エスカレーターはありませんが、エレベーターなら(大きな駅なら)ほぼ設置されているので、太い柱の後ろなどを探してみましょう。
ホームの先端がスロープになっていて、線路に降りて地上から移動できるようになっている駅もありました(ルルド駅)。
列車のステップ
これは日本でも、旧型車両ではよくあることですが、ステップが高いのです。
スーツケースを持って列車に乗るときは、気を付けてください。
でも(旅行者が多い路線は特に)列車の車両出入り口横に、スーツケース置き場がちゃんとあるのが嬉しいところです(スーツケースを置きやすい下の段は早い者勝ち)。
パリなのにリヨン駅
今まで鉄道でパリに行く場合、北駅や東駅に到着していました。
今回の旅行では、リヨン駅を利用しました。
パリなのにどうしてリヨン駅なのか、最初はとても不思議でした。
ガイドブックによると、パリには「パリ駅」という名前の駅はない、と書かれていてびっくり。
リヨン駅は、その名の通り、リヨンへ行くための駅だったのでした。
ロシアに行った時も、この方式で駅名がつけられていました。
他の街の駅は普通の名前なのに、パリだけ特殊だし、またそれをそっくりロシアも引き継いでいるというのが面白いです。
ロシアとフランスとは、とても関係が深かったようですが、その名残なのでしょうか。
ストラスブール駅の駅舎
GWに列車で訪れたストラスブール駅は、石造りの、時代を感じさせる立派な建物でした。
そして不思議なことに、石造りの駅舎を出ると、さらにガラスドームが駅舎を覆っていたのです。
この駅舎もアルザス=ロレーヌ地方がドイツ帝国だった時期に作られた駅舎。オリエント・エキスプレスが運行を開始した1883年の8月に開設されパリとウィーン、ケルンとバーゼルを結ぶヨーロッパの十字路として、そしてライヒスラント(ドイツ帝国時代の帝国直轄州のこと、つまりはアルザス・ロレーヌ地方)の首都としての威厳を求めた駅舎であった。ステンドグラスや彫像、壁、天井の装飾、巨大なホール・・・。
眩暈のするような規模である。 2007年にTGV東線が開通するが、TGVを通すためにこの歴史的建造物を如何に壊すことなくTGVを通すのか、ということで、ホームへは地下の連絡で繋ぎ、さらに一回り大きくするためになんとこの19世紀末の巨大建築物を覆うようにガラスで正面入り口を覆ったのである。
駅に公衆ピアノ
フランスの駅で一番驚いたことの1つが、大きな駅には、自由に弾けるピアノがあること。
日本では見たことがありません。
フランスでは当たり前の光景なのか、腕に覚えのある人が、よく演奏していました。
文化の差というか、公共意識や芸術に対する姿勢が違っているように思います。
やはり文化大国を誇るだけのことはあると、素直に感心してしまいました。
PAULが充実
フランスだから当然なのですが、日本では百貨店などごく一部でしか見かけない(と思います)老舗ベーカリーのPAULが、よく駅構内に出店していました。
ショーウィンドーを見ているだけでも楽しいです。
駅案内チャイムが旅情を誘う
個人的な好みですが、駅案内チャイムが気に入っています。
日本の場合、とても明るいメロディーが多いと思うのですが、フランス国鉄の案内チャイムはどこか物悲しくも聞こえる響きです。
その後、落ち着いた女性の声で、独特の抑揚が付くフランス語アナウンスが流れます。
旅行中、毎日このアナウンスを聞いていたので、とても愛着があります。
またいつか、聞く機会がありますように。
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