箱館奉行所 歴史発見ゾーン
2010年に再現された箱館奉行所見学記の後半です。
再現ゾーンから中庭を挟んで北西のエリアは、奉行所の中で奉行、組頭に次ぐ役職であった御役所調役(おやくしょしらべやく)の執務室だった場所。
ここは、歴史発見ゾーンとなっていました。
室内の説明パネルでは、箱館奉行所の歴史や役割、箱館戦争の推移、五稜郭の築造の経緯と構造など、五稜郭と箱館奉行所に関する情報をわかり易く展示・陳列しています。
世界中に分布する五稜郭タイプの城も紹介されていました。
「世界星形城郭サミット」なるものも開催されたようです。
土方さんたちも、ちゃんと紹介されていました。
面白かったのが、幕末の箱館戦争にかかわった人物を紹介するコーナー。
この人物たちのコマが、なかなかユニークでした。
五稜郭内から出土した遺物も展示されています。
貨幣を独自に鋳造していたとは、知りませんでした。蝦夷地だけに通じる貨幣のようです。
映像シアターで、日本伝統の匠の技を見た
その次にある映像シアターでは、4年にわたる箱館奉行所復元工事の様子が、ハイビジョン映像で紹介されていました。
17分間の映像を見ると、日本の伝統技術を継承した職人たちが復元に挑む姿や、文献記録に残る材料や工法などを再現した努力が、とてもよくわかります(下の3枚の写真も映像を撮影したもの)。
2006年から工事は開始され、史実に忠実な復元が進み、2010年に完成しました。
以前私が函館を訪れた時には、五稜郭公園内には歴史建造物はなく、タワーの上から眺めただけで帰っていたような記憶があります。再建された箱館奉行所は、五稜郭観光の目玉になっていました。
建築復元ゾーンには体感コーナーも
そしていよいよ最後の建築復元ゾーンへ。
奉行所復元の際に使用された古写真や絵図面、文献資料や発掘出土品などが展示されています。
触って実感できるコーナーもあり、実際に使用された木組みをはめ込んでみて、釘がなくてもぴったりとくっつくのに驚かされました。
こういう技を断絶させないためにも、実際に建築するというのは大事なことなのでしょう。
伊勢神宮の式年遷宮も、そういう意味合いもあるのかもしれません。
これは太鼓楼へ続く階段ですが、危険なので登れません。残念。
内玄関の式台の下に埋められていた信楽焼の壺です。
来客の足音を反響させ、今でいう玄関チャイムの役割を果たしていたとも考えられているそうです。
こんな味のある工夫や、素晴らしい匠の技は、いつまでも伝えていきたいものだと思いました。
見どころがたくさんあり、歴史ファンも、そうでない人も楽しめる施設です。
五稜郭に来たら、ぜひ箱館奉行所も訪れてみてください。
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