いよいよ島津斉彬の計画が明らかに!
薩摩藩の藩主として、参勤交代で養女・篤姫や西郷どんと共に江戸入りした島津斉彬(なりあきら)さま。
今まで明かされてこなかった篤姫の嫁ぎ先は、なんと13代将軍・徳川家定!
立派な御台所(みだいどころ=将軍の正室)として篤姫を鍛えるため、京都の関白・近衛家に仕えていた奥女中・幾島(いくしま)による厳しい熱血指導が始まり、薩摩言葉も徹底して矯正されます。
幾島を演じる南野陽子さんのインタビューです。
「篤姫さまの指南役、幾島にございます!」(『西郷どん』公式サイト 週刊西郷どんより)
壁一面に貼られた薩摩言葉と標準語の対照表が、受験生ぽくっていいですね! しかも朱と黒で、しっかり色分けされている。なかなか視覚的にも効果的なのでは?
多分多くの視聴者の方々が、もすもすもすもす、とモスバーガーを食べたくなったことでしょう(笑)。
大奥の仕組み(当時大人気だったというあの双六やってみたい!)や幕府の制度の学習、礼儀作法、芸事や学問、武道の訓練などの他、お世継ぎを生むための性教育もあって、篤姫も大変そうです。
水戸斉昭の子・一橋慶喜(ヒーさま)を、斉彬さまは14代将軍にしようとしていることも、西郷どんや視聴者に明らかにされました。
薩摩藩主として、おおっぴらにはあまり動けない斉彬さまの手足となって、これから西郷どんは大忙しの大活躍をすることになるでしょう。
それにしてもこの2つの計画、特に一橋慶喜擁立計画については、かなり危ない橋を斉彬さまは渡ることになるのです。
品川宿で出会った人々
今日の第10話で、ヒーさまと並ぶ素敵な人物が登場! 越前福井藩士・橋本左内です。
「誰か、お医者様はおられませんか?!」と、一昔前の飛行機ドラマのように大騒ぎになっていた品川宿の磯田屋に居合わせた橋本左内さんは、瀉血(しゃけつ)という治療法で、倒れたタマさんを助けてくれた蘭方医。
16歳で大坂で適塾(適々斎塾)の緒方洪庵に蘭方医学を学び、その才能を緒方洪庵に認められたほどの人物でした。
でも実は、越前福井藩主・松平慶永(春嶽)の密命を帯びた秘密工作員。西郷どんと同じ立場の人です。橋本左内や彼の主君については、また改めて紹介したいと思います。
ちなみに瀉血というのは、近代のヨーロッパやアメリカで行われた治療法で、人体の血液を外部に排出することで体内の有害物質も排出させるというものですが、現在では医学的根拠はないとされ、限定的な治療にしか用いられないようです。
品川宿の磯田屋
さてこの磯田屋は、東海道の品川宿にあるかなり大きな旅籠(はたご=旅館)ですが、ただの宿泊だけでなく、飯盛女(めしもりおんな)と呼ばれる女性によるサービスが売り物。
もちろん、ご飯の給仕だけをしてくれる仲居さんのような女性もいますが、売春をする女性もおり、それを目当てに訪れる客も多かったのです。
磯田屋で働いているふきさんやタマさんもそんな感じですね。
吉原と違って幕府が認めた公式の遊郭ではないのですが、宿場では半ば黙認状態でした。
宿場の役割
江戸時代は、陸上交通・海上交通とも飛躍的に発展した時代です。
大名の参勤交代制度などもあって街道は整えられ、宿場(宿駅)も整備されました。
中世以来の港町として栄えていた品川湊の近くに設置された品川宿は、五街道(江戸日本橋が起点)の中でも重要視された東海道の最初の宿場(次は川﨑宿)であり、西国へ通じる陸海両路の江戸の玄関口として賑わいました。
しかし宿場には、苦労も絶えませんでした。
例えば幕府公用の旅行者や大名行列が宿駅に到着すると、必要な人馬を宿場で常備せねばなりません。これを伝馬役(てんまやく)と言います。
伝馬役で不足する場合は、付近の小さな村からも、人馬が徴発されました。これを助郷(すけごう)と呼びます。
人馬の継立(次の宿場まで、人や馬で荷物などを運ぶリレー形式)を行い、大名行列の世話をし、助郷を課すなどの仕事をするのが問屋場(といやば)でした。
これらの公用のための業務(労役)については無償で行わねばならない場合が多く、一般客相手の業務も価格競争に巻き込まれ、宿場は財政難に!
そこで客集めの目玉として、飯盛女を幕府も黙認することとなり、品川宿には500人が許可されました。でも実際にはその倍以上の飯盛女がいたようです。
高杉晋作ら長州藩の志士たちがよく利用した「土蔵相模(どぞうさがみ)」、土方歳三さんら新選組の定宿だった「釜屋」なども有名なので、大河ドラマでも登場すればいいですね。
ちなみに、宿場から宿場へのリレー形式というのは、古代律令制度の「駅(駅家=うまや)」制度から受け継がれたもの。
リレー形式の長距離走を「駅伝」と呼ぶのは、駅(中継所)から駅までを伝えるという駅伝制にちなんでのことだったのです。
古代の駅伝制や江戸時代の伝馬制が、今の人気スポーツを生んだというのも面白いですね。
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