先日、クラブツーリズムの日帰りバスツアーに行ってきました。
『トイレ付きバス利用 御創建二千五十年奉祝式年 熊野本宮大社 世界遺産「熊野三山詣」めぐり』
というツアーです。
絶景を見ながらの昼食タイム
谷瀬の吊り橋見学を終え、バスに戻ると座席にお弁当が用意されていました。
今回のツアーでは、お弁当にお茶はついていません。忘れず用意してください。
気になるお弁当はこれ。
ごはんとおかずのバランスがよく、見た目も味も良かったです。
車窓に広がる十津川温泉の景色を見ながら、お弁当をいただきます。
二津野(ふたつの)ダムの湖畔に、温泉街が広がっていました。
熊野本宮大社
十津川温泉郷を過ぎると、バスは奈良県から和歌山県へと入り、熊野本宮大社に到着。
全国各地に分布している熊野神社の総本宮として有名ですが、近くに鉄道の駅がないため、自家用車がないとなかなか参拝できない場所です。
ここでは11:50~12:40の自由参拝時間がありました。
気温は38度ですが、暑さに負けず本殿を目指します。少し歩くだけでも汗が出ました。158段の石段を頑張って登りましょう。
参道には緑が多く、とても厳かな雰囲気が漂っていました。
今年は「御創建二千五十年奉祝式年」という節目の年で、より一層御利益が期待できそう。
御社殿(上四社)です。祭神については諸説あります。添乗員さんの説明では、左の大きな建物が第一殿・第二殿(イザナギ・イザナミ)、右はスサノオを祀る第三殿。
一番右が、アマテラスを祀る第四殿です。山の緑と檜皮葺の屋根が、とてもよく調和していました。
第三殿が中央にあるということは、やはりスサノオが熊野本宮の中心と考えていいようですが、太陽神、水神、木の神、唐の天台山から渡来した神など、正体についても諸説あってわからない部分が多いそうです。
平安時代には、神と仏は一体とされ、熊野本宮は阿弥陀如来の聖地としても崇拝されていました。
白河法皇の歌碑「さきにほふ花のけしきを見るからに神の心ぞそらにしらるる 」
彼は9回熊野詣をしましたが、後白河法皇は34回も訪れたそうです。院政期には「熊野参詣」が一大ブームになったのでした。
私たちは全然気づかなかったのですが、熊野本宮大社の公式サイトには、参拝順序も紹介されていました。詳しくはこちらをご覧ください。
導きの神・ヤタガラス
拝殿には、太陽の使いとされるヤタガラスが祀られていました。
ヤタというのは八咫。1咫(あた)は親指と中指を広げた長さ(約18cm)のことであり、八咫烏は144cmほどもある「大きなカラス」という意味だそうです。
そして中国や朝鮮の伝説から、カラスの足は三本足になりました。
三本足については、「天地人」を表しているなど、こちらも様々な説があるようです。
日本サッカー協会のシンボルマークとして1931(昭和6)年!から使用され、今でもワールドカップなどの前には、熊野三山で必勝祈願を行っているのだとか。
導きの神ということで、旅行の守り神ともなり、私たちもしっかり参拝させていただきました。
バスガイドさんから教えていただいた、黒い「ヤタガラスポスト」も発見!
ポストは拝殿の左側にあります。参道からは少し離れているし、黒いポストは目につきにくいのですが、注意して探してみてくださいね。
ツアーメンバーの中には、「見たかったけど、探せなかった」と言っている方もおられました。
ヤタガラスポストの由来については、こちらをご覧ください。
大斎原の大鳥居
現在の熊野本宮は山の上にありますが、もともとは熊野川の中州に鎮座していました。
その中州は「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれています。
現在の熊野本宮大社から500mほど(徒歩10分ほど)でした。グーグルマップの数字は、駐車場から熊野本宮大社を経由しての時間です。
まずは日本一の大鳥居にびっくり! 高さ約34m、幅約42mです。
大斎原が「大湯原」と表記されていることや、熊野をユヤと読む際に湯屋や湯谷の字をあてられたことなどから、熊野信仰の中核に湯の観念があったことが指摘されています。
とにかく神聖な気が満ちていそうな、パワースポットでした。
ここも世界遺産の一部です。
熊野本宮のパンフレット(御朱印をいただくともらえました)によると、熊野信仰とは一言でいえば「太陽の黄泉がえりを願う」信仰のようですが、聖なる川の合流点の中州で、湯を使った神聖な儀式が行われたのでしょうか。
辺りは一面の水田。奈良県五條市もそうでしたが、鹿との共存が課題のようです。
時間がなくて行けなかったけれど、イザナミの荒御魂(あらみたま)がお祀りされている産田社も見えました。新たなものを生み出すパワーがあるそうです。
参拝の記念に
熊野といえばカラス、そのカラス文字で書かれた熊野三山(本宮・新宮・那智各大社)特有の御神符が、牛王宝印(ごおうほういん)。
三山ごとに牛王宝印のデザインも違うので、今回御朱印と牛王宝印を、両方ともいただくことにしました。
さて、本宮の牛王宝印ですが、音無紙(2009年に復活した熊野の手すき和紙)に書かれた大きいものは2,000円、普通の和紙は500円。私は小さな方を購入しました。
熊野三山の中では、社務所でいただいた袋が一番立派で大きいなと思いました。
そして、「御創建二千五十年奉祝式年」という節目の年だけの御朱印。
水色の和紙と金の墨が使われた、とてもユニークな御朱印です。
これはやはり、500円するのも仕方ないかなと思いました(一般的な御朱印は300円)。
次は熊野速玉大社を目指します。お楽しみに。
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