公共交通機関では行けないオンネトー
釧路旅行に行く前、夫が録画した『美しい日本に出会う旅 憧れの北海道 絶景スペシャル 函館から知床半島へまるごと横断旅』という番組をぼーっと見ていました。
高橋一生さんの語りしかあまり頭に残らなかったけれど、ちょっと気になったのが「オンネトー」という変わった名前の湖。名前はアイヌ語で「年老いた沼」あるいは「大きな沼」という意味だそうです。
購入した『るるぶ知床 阿寒 釧路湿原 網走』にも、オンネトーはとても小さなスペースでしか紹介されていませんでした。阿寒湖や摩周湖、屈斜路湖と大違いです。
阿寒湖からは、夫がどうしても行きたい摩周湖とは反対方向だし、『るるぶ』では車で行かなければならないようだけれど、ネットで調べてみると「夏の時期には阿寒バスが走っている」という記事もあって、どっちなんだろう?と思っていました。
阿寒湖のバスターミナルで尋ねてみると、残念なことに、バスは夏でも運行されていませんでした。ネットで見つけたのは、昔の記事だったのですね。残念です。
お得なガイド付きツアー「オンネトー紀行」
私たちとは違い、早くから綿密な観光プランを立てている方にお勧めなのが、NPO法人阿寒観光協会が案内しているガイド付きツアー「オンネトー紀行」です。
私たちは偶然、オンネトーに行こうかという前夜、このサイトを見つけました。
ここなら大人1人3,000円!という破格の値段で、タクシーでないと行けないオンネトー観光ができます(所要時間約1時間半)。今回手持ちの現金が少なく、心細い思いをしている私たちにはぴったりなツアーでした。
しかしそこには、「前日16:00までに申し込むこと」「定員10名」と書かれています。
この情報を見つけた時には、もうとっくに締切時間は過ぎていました。
ダメもとで、9:00に阿寒湖観光協会に行き、事情を説明してツアーに参加したい旨お願いしましたが、すでにこの日のツアーは満員で、他のガイドの手配もできないということで断られてしまいました。
ちなみに、そろそろオンネトーは1年で一番にぎわう紅葉シーズンということで、ツアー予約サイトを見ると、週末はツアー締切という日が多くなっています。1人のガイドが担当できるのは10人までみたいなので、すぐに満員になってしまうのでしょう。早めの予約が必要です!
タクシー貸切でオンネトーへ!
観光協会では、阿寒ハイヤーでタクシーを3時間貸切れば20,100円だと教えてくれたので、この価格なら出せるかもしれないと思い、電話もせず、いきなり阿寒ハイヤーへ直行。
いきなり直接訪ねてこられて、きっと迷惑したに違いない久保運転手(1人しかいなかった運転手さん?)が、快く私たちの頼みを聞き入れてくださり、3時間貸切タクシー旅に出発です。
オンネトー自体は、阿寒湖から20分ほどなのですが、湖畔でのんびり滞在したいから、ということで、運転手さんは心配していましたが、3時間コース決定です。
阿寒湖は広い広い釧路市(全国で7番目に広い面積の自治体)にありますが、目指すオンネトーは、さらに広い、全国で6番目に広い足寄町(香川県の4分の3)にありました。
足寄(あしょろ)町といえば「松山千春」だと思っていたのですが、オンネトーもあったのですね。知りませんでした。
湖畔展望台からの絶景
まずは、オンネトーや周囲の山々がとてもよく見える湖畔展望台へ。
駐車場から展望台へ行くときに、ふと目に着いたのがこの看板。神秘の湖で、カヌーを漕ぐ人がいるのでしょうか。神秘の湖の雰囲気を守ってほしいですね。
目指す湖畔展望台に到着です。とてもおしゃれなログデッキで、近くにいた観光客の話によると、昔はこんなデッキはなかったのだとか。
デッキからは、湖と山がよく見えました。
上は、阿寒湖からは見えなかった阿寒富士。山の形がとても美しいですね。
阿寒富士も活火山ですが、上の雌阿寒岳も活火山で、雌阿寒岳は今も白い煙が頂から出ているのだとか。私が雲だと思っていたのも、久保運転手によれば煙なのだとか(山頂の左側のくぼみの下にある白いもの)。
2つの山が並ぶと、とても美しいです。
「コバルトブルーの水の色」「五色に色を変える湖」とか書かれていたりもしますが、この時は特に「ほかの湖より美しい!」とは感じられませんでした。
でも美しいことには変わりありません。家の近所ではめったに見ることのない、大きなトンボもいました。
私たちが気になったのは、湖の生物でした。写真の右上、とても小さい魚のようなものが写っているのがおわかりでしょうか?
久保運転手から、「オンネトーの水は酸性だから、肴は棲めない。ザリガニはいますよ」と言われていたのですが、どうもよくよく見てみると、小さな魚のようなものがいるのです。
後で『ウィキペディア』で調べてみると、やはり魚は棲めず、ザリガニとエゾサンショウウオしか棲めないとありました。あの小さな魚のようなものは、エゾサンショウウオの幼生なのかな? いまだに謎です。
水鳥の姿は見ることができました。魚がいないけれど、何を食べるのかな?
閉店したオンネトー茶屋から湖畔の遊歩道へ
そのうち大型バスに乗った団体観光客がやって来て、ログデッキが騒がしくなってきたので私たちは早々に退散し、再びタクシーに乗って、湖畔近くの遊歩道を目指しました。
ここは2017年10月まで、オンネトー茶屋という休憩所があった場所。
そのそばに、遊歩道入り口があるのです。
ここには大型バスの姿もなく、とても静かで、「神秘の湖」オンネトー本来の姿を見ることができました。
遊歩道も、朝食前に歩いたボッケ遊歩道と比べるとちょっと野性味がありましたが、アップダウンもなく、歩きやすくて助かりました。
道や倒木には苔が生えていて、その緑もとても美しい(私は苔が大好き)。
上の写真の倒木なんて、まるで抹茶ロールケーキのようでした。
でもここでも、新しそうな倒木を見ました。2年前の台風被害によるものでしょうか。
この木々の間から見えるオンネトーは、とても美しいものでした。私たちが参加できなかった「オンネトー紀行」も、こんな遊歩道を歩くのかな?
白い倒木が湖面に浮かんでいるのですが、まるで巨大な魚の骨のようにも見えて、これもまた幻想的な雰囲気です。湖の水にも触れることができました。やはり冷たいです。
この白い木ですが、てっきり白樺だと思っていました。
久保運転手さんによると、幹だけ白いのは白樺、枝も白いものはダケカンバなのだとか。
この辺りには白樺もダケカンバも生えているそうで、私たちが見たのは、どうやらダケカンバのようです。少し賢くなりました。
この後は、オンネトー湯の滝を観光します。お楽しみに。
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