2019年9月22日(日)、阪急河原町駅から、六道珍皇寺へ向かいました。
お目当ての六道珍皇寺の秋季寺宝展を見学した後、八坂神社の近くで昼食を食べることに。
八坂の塔からねねの道を経て、八坂神社へ向かいます。
謎のお堂・祇園堂
ねねの道から円山公園へ向かう途中、円山音楽堂の裏手に、かなり新しそうな建物が。
とても謎だったのですが、平清盛の生母・祇園女御にちなむ「祇園堂」というお寺でした。
その時はどんな施設かよくわからなかったので(入りにくい雰囲気でした)、そのまま通り過ぎましたが、大河ドラマ『平清盛』のころにできた施設なのでしょうか。永代供養の場所だそうです。
祇園女御の供養塔もありました。
円山公園入り口にある謎の洋館
祇園堂をさらに進み、円山公園入り口で西に曲がると、京都らしくない洋館が見えてきました。
時折通りすがりに見かけては、その正体を知ることもありませんでしたが、今回調べてみると、この建物は「長楽館」という建物。
明治時代に「煙草王」と呼ばれた村井吉兵衛が、京都の別邸として建てたものです。
現在は、ホテルやカフェとして利用されているそうです。せめてカフェでも利用してみたい。
中村楼で「昼の懐石」
さて、私たちが楽しみにしていたのが、中村楼での昼食。
長楽館に沿って西に進むと、目立つ色の塀が見えてきました。
これが目指す中村楼の塀。
道を曲がると、中村楼の入り口です。
とても格式がありますね! 創業は室町時代。公式サイトには480年と書かれている老舗です。
予約をしていなかったのですが、門前払いされませんでした。
待合室で少し待ちましたが、八坂神社に隣接するだけあって、舞妓さんの団扇がいっぱい!
やがて案内されたのがこちらの部屋。
とてもモダンで、庭がとてもきれい!
残念ながら窓際の席ではなかったけれど、いい眺めは楽しめました。
9月の「昼の懐石」
お待ちかねのお料理です。
料理ができるまでのつなぎとして、酒とともにだす酒肴(しゅこう)の先付。
秋らしい柿釜!菱蟹なんて初めて食べました。柿も大好きなので、全部ぺろりと食べました。
次は吸物。
丸豆腐と針葱、三度豆と露生姜です。丸豆腐には、卵が入っています。初めて食べたかも。
次はお造り。鰹の藁燻(いわゆるタタキ)。初めて塩で食べたけど、美味しいです。
確か3切れあったと思うのですが、写真を撮るのを忘れてしまいました(恥)。
次は八寸。季節の山海の幸を少しずつ取り合わせたものです。
秋刀魚(サンマ)の小袖寿司や車海老の旨煮、鴨の松風などの奥に、見慣れないものが。
鬼灯って初めて見ました。その中に入っていたのが、卵黄身味噌漬け。
ここで、追加注文した祇園豆腐。こちらの名物のはずなのに、なぜか昼の懐石には入っていない。
これはもしかしたら、敢えて追加注文をさせる戦略なのでしょうか?
木の芽味噌の風味もよく、さすが500年近く愛されてきた味だなと思いました。お皿も洒落てる。
次は炊き合わせ。甘鯛(ぐじ)の柴蒸し。ぐじも初めて食べたかも!
平茸、白舞茸、占地(しめじ)、三つ葉、ニンジンなどが入っています。あんかけです。
止椀とご飯、香物三種盛り。
ご飯は鱧(はも)とごぼうのご飯。
自家製のお菓子とお薄(薄めの抹茶)。
昼の懐石と祇園豆腐いずれも2人分で12,960円でした。
京都 百味会 ~知られざる“奥座敷”の世界~
私たちが中村楼を訪れたのは、この夏偶然見た、NHKスペシャルの『京都 百味会 ~知られざる“奥座敷”の世界~』がきっかけ。
京都の老舗中の老舗67店が集まる「京名物 百味会」が、どうすれば伝統を守りながら、いまの時代にも通用する老舗として、暖簾をつないでいけるのか。老舗の苦闘を描いています。
その中で取り上げられていたのが、中村楼。家庭のトラブルも放映されていてびっくり!
私たちの近くにいた常連さんらしき(しかも京都のだんな風)ご夫婦は、仲居さんたちに「放映されていてびっくりした」「大丈夫?」などと、はっきり話題にしていました。
仲居さんは「あのテレビで敷居が低くなった」と答えておられましたが、果たしてどうなのでしょうか。
老舗を守り続けるって、かなり大変。昔は「家」を守ることが最優先課題とされた人々も多かったけれど、今は老舗や、伝統芸能関係者、由緒正しい家柄など、かなり少なくなりましたね。
中村楼がこの先どうなるか、見守っていきたいと思います。
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