2022年12月30日(金)、福江島2日目です。この日は終日、五島タクシーの中野運転手に、島内を案内していただきました。
江戸時代の捕鯨基地の様子を伝える柏崎のカグラサン
カトリック三井楽教会の見学を終え、遣唐使随行の留学僧として海を渡った空海ゆかりの「辞本崖(じほんがい)の碑」や、夕日が美しいという海沿いのオレンジロードに向かう途中
柏崎の道沿いに、解説板があるのを見つけました。
運転手さんに尋ねてみると、「カグラサン」という場所で、
江戸時代に捕鯨を行った際、捕えたクジラを陸揚げし、解体していた場所だったのだとか。
解体する人々の動きが、まるで神楽を舞っているようだったので、「神楽桟(かぐらさん)」と呼ばれたそうです。
江戸時代、五島列島は捕鯨がとても盛んだったそうで、三井楽の柏崎にも捕鯨を生業とする一団が住み着き、彼らはこの場所に、捕えたクジラを陸揚げするための「ろくろ」を設置しました。「ろくろ」はクジラの皮を剥がすときにも使われたようです。
この石積みはそのろくろ場の跡で、今は1基しか残っていませんが、当時は9基もろくろが設置されていたのだとか。いかに多くのクジラがここで捕獲・解体されたかがわかりますね。
「鯨一頭獲れれば七浦潤う」と言われたそうですが、乱獲のため、幕末には捕鯨はすたれてしまったそうです。
高浜海水浴場の絶景
オレンジロードが終わった後も、海沿いの絶景は続きます。
スケアン(石干見漁法)という伝統的な漁法が行われているという場所は、このあたりかな?(スケアンについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください)
三井楽半島の付け根に出ると、この絶景!
高浜海水浴場です。
曇り空だったのですが、それでも海の青さと砂浜の白さは美しい!
近くまで行ってみました。信じられないくらいの水の青さ!
青のグラデーションが、日本とは思えません。壱岐を訪れた時にも感じたのですが、九州の離島の海って、本当に美しいですね。
夕日の時間帯も美しいようです。
でも、「離岸流(りがんりゅう)」という恐ろしい現象も発生するので
地元の方は(特に家族連れの場合)、
近くの頓泊(とんとまり)海水浴場をよく利用すると、運転手さんは教えてくれました。ここも美しい場所のようです。
私たちは時間がなかったのでパスしましたが、高浜海水浴場の絶景は、近くの「魚籃(ぎょらん)観音展望所」から見るのも定番みたい。時間がある方は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
クジラの骨のアーチと温泉がある荒川
次の目的地・大瀬崎を目指してタクシーはひた走ります。
その途中、またまた面白いものを発見! 運転手さんに伺うと、「鯨のあごの骨」なのだとか。
ちゃんとグーグルマップにも載っていました!
ナガスクジラ(体調27~30m)の下あごの骨だそうですが、博物館展示しか見たことがなかったので(しかも全体骨格の一部として)、アーチ形に設置されたのを見たのは初めて。
解説板によると、1955(昭和30)年から大洋漁業(現マルハニチロ)がここ荒川町を捕鯨基地とし、大瀬崎沖で捕鯨を開始。当初は好調だったようですが、5年で終了しています(他に4社が捕鯨をしていました)。
荒川町は、温泉やクジラ見物の観光客でにぎわったそうです。
クジラはいなくなりましたが、温泉は今も残っていました。
時間があれば、足湯につかるのもいいですね。五島で最も歴史ある温泉と言われ、神経痛、冷え症、切り傷、関節痛などに効能もあるとか。九州最西端の温泉というのも魅力的。いつか機会があれば行ってみたいです。
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