2023年4月22日(土)、立山黒部アルペンルートの中間点・室堂(むろどう)から長野方面へと向かった私たちは、立山トンネルトロリーバス・立山ロープウェイ・黒部ケーブルカーを乗り継いで、黒部湖駅へ到着しました。
黒部ダムの堤の上を歩く! 堤の高さも長さも日本一!
黒部湖駅から、次に乗る黒部ダム駅へ行くためには、
黒部ダムの堤の上にある「堤頂歩道」を600m歩く必要がありました。
ちなみに私はずっとこのダムのことを「黒四(くろよん)ダム」と呼んでいたのですが(黒部第四発電所があるため)、関西電力は公式名称を「黒部ダム」としていたのです。これも知らなかったな。
この堤の高さはダムで日本一。富山県で最も高い構造物だそうです。堤頂の長さも、日本のアーチ式ダムの中では日本一。
エメラルドグリーンの黒部湖はとても美しく、
堤頂歩道を歩いていると、本当にその規模が実感できます。結構歩きました。
あそこに見える高い場所にある建物が、ダム展望台。
黒部湖から流れ出る黒部川も見ることができました。
破砕帯の湧き水とハサイダー
堤頂歩道を渡ると、黒部ダムレストハウスに出ました。
ここの1階土産物売り場に立ち寄ってみたのですが、
面白い名前のサイダーに目が留まりました。
その名も「ハサイダー」! 黒部ダム建設時、信濃大町から掘り進んだ大町トンネル(現・関電トンネル)で工事関係者を悩ませた破砕帯から湧き出す天然水を使用した、信濃大町のご当地サイダーなのです。ネーミングが面白すぎ。
破砕帯は立山トンネルだけではなかったのですね!
富山おみやげポイントが余っていたら、絶対購入していたと思います。よく売れているみたいでした。
ところで、ハサイダーの原料である破砕帯の湧き水は、黒部ダムの各所で飲むことができました。
黒部レストハウスのすぐ近くにも湧き水があるのですが
説明書きが、何か不自然。近づいてよく見ると
「おいしい」という文字を紙で貼って隠しているようなのです。この水は美味しくないのかな? 誰かからクレームが来たのかな?
でも、黒部ダム展望台へ上がる途中の階段にも湧き水があって、こちらには「おいしい」という文字は隠されていませんでした。同じ破砕帯からの湧き水だと思っているのですが、違うのかな? どちらも少し飲んでみましたが、残念なことに全く違いが判りませんでした(泣)。
難工事の犠牲者が眠る慰霊碑
破砕帯などで困難を極めた黒部ダム工事では、171名の方が殉職されました。
慰霊碑もあるのですが
残念ながら、まだ残雪のため、上部斜面の点検が完了しておらず、立ち寄ることはできませんでした。
写真右端の、崖に張り付いたように建つガラス張りの構造物の中に、慰霊碑があるようです。左側のパネルの数々は、その説明かな。
当時は秘境・黒部峡谷に行くこと自体がまず命がけ。「黒部にケガはない」と言われ、事故があればケガでは済まない(命がない)という危険な工事でした。
戦後、関西の電力不足を補うために建築された黒部ダムを、今の私たちは、ダム建設のために敷設された乗り物に乗って見学し、潤沢に電気を使うことができています。
関西人の私としては、本当に黒部ダム建設に関わった人々に、感謝せねばならないなと思いました。
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