入場無料の史料館 展望台からの眺めもいい!
2024年2月23日(金)、長崎からJRで佐世保駅に到着した私たちは、初めての佐世保観光に出発しました。
佐世保港や日本一長い商店街を見学した後は
軍港として発展した佐世保らしい観光地・海上自衛隊佐世保史料館へ向かいました。
この建物は愛称を「セイルタワー」という(屋上部構造物が船の帆にも見える)7階建ての建物で
1.2階部分は、旧海軍時代の将校の宿泊、福利厚生施設として利用された「佐世保水交社」の建物の一部を再利用しているのだとか。
入場料が無料というのには驚きました。
まずはエレベーターで7階へ。ここには展望所もあり、高架の西九州自動車道沿いの左側の緑地であるニミッツ・パークもよく見えました。この公園は、米海軍の関係者以外の立ち入りは制限されているようです。米軍基地の町・佐世保にはこういう場所もあるのですね。
さすが佐世保! 旧日本海軍の歴史がわかる
この史料館は、7階から順番に展示を見ながら降りていくという方式だったのですが、
日本海軍の成立(幕末)から始まる展示は、
長崎海軍伝習所や
榎本武揚や開陽丸などもあって、幕末好きにはたまらないし、
日清戦争(上)や
日露戦争関係の展示も充実しており
昔、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』を読んでいたので
主要登場人物の連合艦隊司令長官・東郷平八郎や
彼が座乗した連合艦隊旗艦・三笠(Z旗が掲げられています!)の模型や
『坂の上の雲』の主人公の1人・秋山真之の紹介には感動!
そして飛行機など、新兵器が登場する第一次世界大戦を経て
太平洋戦争へ。
開戦を指示した「ニイタカヤマノボレ 1208」電文の複製(本物も撮影禁止エリアにあります)や
連合艦隊司令長官・山本五十六(やまもといそろく)の紹介もあり、日米国力の対比や被害状況などの展示を見ていると、改めて平和の尊さが伝わってきました。
現在の海上自衛隊の紹介や
護衛艦「くらま」の操縦席などが展示されていて、とても見どころが多かったです。歴史ファンやミリタリーファンは、ぜひ時間に余裕を持って見学しましょう。
『坂の上の雲』の真実
史料館には撮影禁止エリアがあり、そこには手紙や書、絵画や写真など、貴重な歴史的資料が展示されていました。
その中で一番印象的だったのは、『坂の上の雲』に登場する広瀬武夫の手紙や、ロシア太平洋艦隊司令長官・マカロフ中将の戦死(旗艦が機雷に触雷して爆沈)を目撃した「浅間」館長八代六郎の手紙。
特にマカロフ戦死を伝える八代の手紙には、偉大なマカロフを惜しむ気持ち(彼は2年間ウラジオストクに出張し、その後3年間ロシア公使館附武官を勤め、マカロフにも会っていた)や、マカロフ戦死を喜ぶ日本の世論に対する複雑な気持ち、筆舌に尽くしがたい凄惨な戦死の状況などが書かれていました。生の資料を見ていると、やはり戦争は嫌だという気持ちになります。
東郷平八郎が、重傷を負って捕虜となったバルチック艦隊司令長官・ロジェストヴェンスキー少将を佐世保海軍病院に見舞う絵画もありました。この時の東郷平八郎の礼節を尽くした振る舞いに感銘を受けたロジェストヴェンスキーは、生涯にわたって彼を尊敬し続けたと言われています。とてもいい話なのですが、それでもやはり、戦争を美化することなくその悲惨さを忘れてはいけないなと思いました。
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