日本最大の大型竪穴式住居
2023年11月5日(日)、青森旅行もいよいよ最終日。私たちの最後の目的地は、青森市の三内丸山遺跡です(観覧料は大人410円)。
初めて本格的に見た縄文時代のお墓の数々や、遺跡のシンボル・六本柱建物を見学した後は
遺跡内の住居を見て回りました。縄文時代の住居と言えば竪穴住居ですが、三内丸山遺跡では、私たちの常識をはるかに上回る、大型竪穴住居跡が出土しています。長さ10m以上のものは、特に「大型住居跡」と呼ばれますが(三内丸山遺跡には10数棟ある)、その中の最大のものが復元されていました(竪穴式住居としては日本最大規模のもの)。
六本柱建物の隣にある低い建物で、共に縄文時代中期後半の、紀元前約2600年頃と推定されています。
外見ではあまりすごさは感じられなかったのですが(屋根が低いことも一因?)
内部に入ると、印象が変わりました。
とても広い空間! いったい何人収容できるのかな? 長さ約32m、幅約10m。竪穴の深さは1.2mで、その面積は229.4㎡。柱は19本で、六本柱建物のように、等間隔に並んでいます。やはり測量技術があったのでしょう。
石で囲われた炉も復元されていました。集会室、共同作業場、共同住宅などの説がありますが、まだよくわかっていないようです。
縄文の高床倉庫と3種類の竪穴住居
今回面白いなと思ったのは、集落にある普通の建物でも、色々な種類があるということでした。
縄文時代は竪穴住居で、弥生時代になって農耕が始まると、高床倉庫が登場する!というイメージがありますが、三内丸山遺跡中央部分では、柱穴がたくさん見つかるけれど生活の痕跡が確認できなかった場所があり
掘立柱建物(高床倉庫)として復元されています。
遺跡中央の倉庫群では、一体何を貯蔵していたのかな? ひょうたんとかエゴマなど、栽培していた植物かな?(栗やクルミ、ドングリなどは貯蔵穴かな?)
竪穴住居も、昔から教科書などでも見かける茅葺きの家だけでなく
(よく見ると、一番手前の家の屋根に、長い草が生えていました。アクセントになっていて可愛い)
土葺きの竪穴住居や
(最近の発掘研究では、土葺き=土屋根の住居が確認されているそうです)
土屋根は夏に蒸し暑くなるので、土屋根から土を下ろした樹皮の下地だけの住居=樹皮葺きの竪穴住居、合計3種類の竪穴住居が展示されていました。最新の研究が反映されていて、面白い!
樹皮葺きの竪穴住居は、初めて見るデザイン。とても可愛い!
土葺き住居に入ってみましたが、屋根や柱の骨組みに多くの木材や樹皮が使われていて
内部には炉もあります。冬はここで火を焚きながら、寒さに耐えていたのかな。
三内丸山遺跡の建物群を遠望するとこのような感じです。竪穴住居もどんな姿だったのか、まだわかっていないというのは意外でした。もしかしたら20年後の歴史教科書の想像図は、また違っているかもしれませんね。
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