見どころいっぱいの「縄文人のこころ」エリア でも暗いので見落とし注意!
2023年11月5日(日)、青森旅行もいよいよ最終日。私たちの最後の目的地は、青森市の三内丸山遺跡です(観覧料は大人410円)。
縄文時代のお墓や、遺跡のシンボル・六本柱建物、大小さまざまな住居などを見学した後は
再び「縄文時遊館」に戻り、常設展示室(さんまるミュージアム)へ。まず見学するのが「縄文人のこころ」というエリア。
一番最初に驚かされたのが、この出土品。遺跡のシンボル・六本柱建物跡から出土した栗の木の柱です。4,000年以上の時を越えて腐らずに残ったのは、縄文人の技術力と幸運のおかげかな。
三内丸山遺跡では、体が板のように扁平につくられた板状土偶も多数出土していますが(上の写真は遺跡のチケットから)
その中でも最大の大型板状土偶が印象的でした。
十字型のとてもユニークなデザインで、後頭部に取っ手があるため、吊り下げて使用したとも考えられています。家のお守りかな?それともアクセサリー?
土偶だけでなく、たくさんの土器も展示されていました。
石器も充実しており、狩猟の道具だった石槍や石の矢じりや
豊穣多産を願う石棒に混じって
今まで知らなかった種類の石器も! 「石冠」という、用途不明の石器でした。これも不思議な形です。
多彩でユニークな展示品に気を取られ、また部屋が暗かったことも関係あるのか、後で気が付いたのですが、この部屋にあるはずの「縄文ポシェット」を見落としてしまいました。不覚です。
出土品からわかる縄文人の暮らし
次は「縄文人のくらしをひもとく」エリアへ。
可愛らしい少年と愛犬が出迎えてくれました。犬は縄文時代から、人間と一緒に暮らしていた(猟犬などとして)ことが知られています。
彼らが食べていたものが、出土する動物の骨によってわかります。カイツブリというのは、今でも琵琶湖などではよく目にする鳥なので、この遺跡で骨が出土してもあまり驚かなかったのですが
アホウドリ(左)にはびっくり! 昔はこの辺りにも、たくさん棲息していたのでしょうか。
ここにも縄文人の暮らしで使われていたたくさんの土器や
数々の土偶が展示されています。土偶は2,000点以上出土しました。
祭祀に使われたとも言われるミニチュア土器は、2,500点以上出土したとか。
展示の中には、約1,000年間、同じ場所に生活廃棄物を捨て続けた結果、周囲よりも約2mも高くなった「盛土(もりど)」を紹介するコーナーも。考古学者にとっては、まさに「宝の山」でしょう。
アクセサリーも、興味深い展示でした。骨や石でできたものが多いのかなと思っていたのですが
土製のものもあったのです(中央手前)。
縄文時代は今よりも約2℃気温が高かったため、毛皮ではなく布の衣服、しかも土偶の模様などから、模様もあったとされています(この復元品は、縫い糸の部分が模様に見えます)。これを1着作るのは、とても大変だったでしょう。
さりげなく展示されている復元品や人形ですが、よく考えてみれば、出土品という僅かな手がかりから当時の姿を推理していくわけです。考古学という学問はとても面白そうだし、最新技術を駆使して出土品を研究していくと、まだまだ新しいことがいろいろわかりそうに思えます。
縄文時代は本当に奥が深いし、三内丸山遺跡も広大で、とても短時間ではすべてを見て回れません。次回訪れる機会があれば、もう少しゆっくり時間を取って、見逃した縄文ポシェットを見て、「れすとらん 五千年の星」で縄文時代を感じるランチを食べてみたいです。遺跡に隣接する青森県立美術館にも行けたらいいな。
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