日本曹洞宗最初の寺院・宇治の興聖寺へ(前編)  伏見城の遺構が使われた法堂の血天井  

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曹洞宗最古の道場

2023年3月、京都の宇治を訪れました。宇治川左岸の縣(あがた)神社から、中の島にかかる朝霧橋を渡り、右岸の宇治神社に参拝してさらに上流に進み、

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興聖寺(こうしょうじ)を目指しました。

ここは、鎌倉時代に宋(中国)に渡り、曹洞宗を開いた道元が最初に開いた道場。日本最古の曹洞宗道場というわけです。

表門の石門をくぐり、参道を歩きます。「琴坂」と呼ばれる朝日山へ一直線に続く参道は、坂の両脇を流れる水のせせらぎが、琴の音のように聞こえたのでこの名が付けられたのだとか。なかなか風情ある道です。

琴坂は桜と紅葉の名所だそうで、3月に来てしまったことをちょっと後悔。桜か紅葉の時期に、また来る機会があるといいなと思いました。

入山料(500円)だけでなく、入山料+御朱印(300円)チケットも購入できる自動券売機は初めて見ました。とても便利!

法堂の血天井

いよいよ拝観エリアに入ります。厳しい修業の場に入るので、緊張します。雲水さんがこの寺院のどこかで修業しているかもしれません。

最初に拝観したのは、法堂(はっとう)。寺院の中心となる建物です。

本尊の釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)や両脇の文殊・普賢菩薩などが祀られています。

鴬張りの廊下もありました。

でも印象に残ったのは、この天井。関ケ原の戦い直前に石田三成ら西軍(4万)に攻められて、鳥居元忠ら1,800名の将兵たちが守る伏見城は落城しました。『どうする家康』にも登場する徳川家康の腹心・鳥居元忠とその将兵たちは、圧倒的な兵力差の中、西軍を14日間も足止めして最後まで戦い、討死に或いは自害しました。その亡骸は関ケ原の戦いが終わるまで放置されていたので、城の床板に彼らの血がこびりついてしまいました。

彼らの忠義に感動した家康は、彼らを供養するため徳川ゆかりの寺院でこの床板を保存し、決して誰にも踏まれることのないようにと天井に使わせたのです。以前東山七条の養源院でも伏見城の血天井を見る機会があったのですが、そういう理由だったのですね。

白丸の中が、手形などがよくわかる部分。シミの部分などなんだか生々しいですが、家康も元忠も、彼らが今その時にできることを精一杯やり遂げたのだと思います。

血天井を見た後、この手水鉢の花を見ると、とても心が癒されました。

庭園も、花はまだ少ないけれど、いい風情です。

梅の花がちらほら咲いて、本格的な春の訪れはもうすぐだと告げていました。後で知ったのですが、梅の花は、道元が好きな花だったのだとか。

見どころが多い興聖寺の紹介は、次回も続きます。どうかお楽しみに。

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