旧フリーマントル刑務所に行ってみた! 世界遺産の囚人遺跡で学ぶオーストラリアの歴史

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2018年12月30日(日)、西オーストラリア州パース滞在中の私達は、キングスパーク観光の後、電車でフリーマントルへ向かいました。

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フリーマントルを訪れた目的は、西オーストラリア州唯一の世界文化遺産を見ること。

それが何と、刑務所だった建物なのです!

2010年、他のオーストラリア国内の建築物群と共に、「オーストラリアの囚人遺跡群」として、登録されました(西オーストラリア州唯一の世界文化遺産)。

多くの方にとって、あまり縁がない(と祈りたい)刑務所。特にオーストラリアの刑務所はどんな感じなんだろう?

ということで、渋る長女を説得して訪れてみました。

ガイドツアーで刑務所見学 希望のツアーを選ぼう! 公式サイトで予約もOK

旧フリーマントル刑務所に近づくと、いかにも刑務所の近くというモニュメントがありました。

私たちがランチを食べたザ・モンクのすぐ近く、街を見下ろす丘の上に、刑務所はありました。

まるでお城の門のような、立派なゲートハウス。ちなみに修復されたものです。

このゲートハウス自体は無料エリアですが(売店などもあります)、これより先の刑務所へのアクセスは、ガイド付きツアーのみ。

私達は全く事前調査もなしで(『地球の歩き方』には、詳しい情報は出ていません)、たまたま訪れた時に開催される英語ツアーに参加したのですが、後から公式サイトで調べてみると、色々なツアーが企画されていました。トンネルツアーや懐中電灯ツアー(要予約)が人気みたいです。

公式サイトには、日本語ページもあるのでお勧め! 先ほど紹介した2つのツアーの予約もできます。

ツアーによっては、参加条件があったり、10歳以下のお子様には適当でないツアーもありますので、注意して下さいね。

私達が参加したのは、13:15開催のBEHIND BARS TOUS(服役ツアー)。所要時間は1時間15分で、大人1人22AU$でした。支払いには、ビザカードもしくはマスターカードも使用できます。

英語ツアーですが、日本語オーディオガイドがあるので、ご安心を。

ただこのツアーでは、死刑執行室も見学しました。写真も掲載していますので、ご覧になりたくない方はご注意下さい。

オーストラリア開拓には、負の側面もあった

いよいよ刑務所に足を踏み入れました。これが囚人服です。

この刑務所に連れてこられた囚人は、シャワーを浴びて(&身体検査も)これに着替えました。

1887年から1991年まで、フリーマントル刑務所は存続しました。1868年までは、イギリスから流刑囚が送られてきたのです。

囚人たちがどのように自分たちの刑務所を建て(いきなり囚人がイギリスから移送されてきた!)、西オーストラリア州開発の一端を担ったか、オーディオガイドが説明してくれました。

さぞ重労働だったでしょう。ちなみに美しい建物ですが、これもリニューアルされています。

北海道もオーストラリアも、開拓には囚人たちの労働力が利用されたのです。

日陰があまりなかったので、暑さ対策(現地の夏=年末年始に訪れる場合は特に)は気をつけて下さい。私たちは、多分一番暑い時間帯に訪れたのでは? バテバテでした。

刑務所の内部 恐怖の独房棟へ

ここは厨房です。

食事の用意をするのも、囚人たちでした。

監視塔が見えます。この辺りは運動場です。

いよいよ独房棟の中へ。

自殺をする囚人もいて、天井のネットは自殺防止用だそうです。

独房は、初期はハンモック(寝心地悪そう)でしたが、徐々に改善されていったようです。

最後には、小さなテレビも置かれていました。

1964年まで、この刑務所では死刑も行われていました。

絞首台を見たのは初めてです。とても怖かった。

1988年には刑務所内の気温が52.2℃となり、大規模な暴動も発生。脱走事件もありました。

少しずつ囚人の待遇が良くなりつつあったとは言え、独房やトイレなどを見ていると、(自業自得かも知れないけれど)気の毒になりますね。

囚人たちによる芸術作品

1991年まで使用されていたこの刑務所内には、囚人たちによって描かれた壁画がありました。

重苦しい雰囲気の刑務所に、このような壁画はどれほど囚人たちの心を慰めたことでしょう。

精神療法のため描くことを認められた独房内の美しい壁画など、色使いが独特で、とても美しいと思いました。

刑務所見学で疲れたら、海へ出よう!

服役ツアーの所要時間は、1時間15分。暑いしよく歩いたし、また独房や死刑執行室を見たため、感受性の強い長女はかなりグロッキーになってしまいました。

気分を変えて、歩いてフリーマントルの海岸へ。

緑あふれる美しい町並みを歩くと、先ほどの刑務所とは別世界のすがすがしさ!

自由っていいなと思いながら、海へ出ました。暗い建物の中とは大違いの、明るい海と空。

砲台もありました。この海の向こうに、あのロットネスト島があります。

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刑務所の囚人たちは、ロットネスト島から石灰岩を切りだし、住宅を建設し、市街地を拡大したのですね。

後で知ったのですが、この大砲のある背後にラウンドハウスという施設があり、そこも刑務所だったのだとか。

上の写真は、そのラウンドハウスに近いハイ・ストリートにある面白い光景。

Arcs d’Ellipsesという、スイス人アーティストの作品だそうです。建物や通り全体が、だまし絵のようになっていて面白い。

今私たちが歩いているフリーマントルやパースの美しい街並みも、その基礎は、重労働の囚人たちによって築かれたことを忘れてはいけないなと思いながら、フリーマントル駅まで歩きました。

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