2023年5月5日(金)、むつ市のはねやホテルをチェックアウトした私たちは、前日下見しておいた下北交通バスの「むつ」停留所(以前の名称は「むつバスターミナル」)から、仏ヶ浦へと向かいました。
今は亡き本州最北の駅 大畑線と大畑駅
私たちが乗るバスは、8:00発のむつ・佐井線。
1日に何本もバスがあるわけではありません。また、ネットで時刻表を見て驚いたのですが、所要時間は2時間!長距離移動です。
車でノンストップで行ったとしても1時間以上かかる距離。運賃は1人2,370円です。IC乗車券は使えず現金のみでした。
八重桜が満開の道を通ったり
海岸を見ながら走っていると
かわいいイカの看板が見えました。よく見ると「いかの町おおはた」と書かれています。
そしてバス停をよく見ると「大畑駅前」と書いてあり、ネットで見た時刻表も、バス停の名前は「大畑駅」。
古びた観光案内図にも、しっかり鉄道と駅の表示が描きこまれていました。
今は下北交通大畑出張所になっていますが、かつてはここに、下北交通大畑線の大畑駅があったのでした。当時は本州最北の駅でした。
下北半島は国防上重要な場所で、函館と大間を貨客船で結ぶため、まず下北ー大畑間の鉄道が開通しました。しかし戦争で工事は中断。やがて鉄道利用が減少し、国鉄から下北交通に営業は引き継がれましたがその後も経営は苦しく、2001年4月に廃止。この路線の駅の1つが、現在「むつ」バス停になっている田名部(たなぶ)駅でした。
ここで5分間、トイレ休憩があります。ありがたい。
駅の跡には、線路や車庫がまだ残っていました。キハ85が動態保存されていて、定期的に運転されているそうです。詳しくはこちらをご覧くださいね。
作家・井上靖が愛した下風呂温泉郷
トイレ休憩を終えたバスは、
また海岸線をどんどん走ります。この道(国道279号線)は「むつはまなすライン」と呼ばれているそうです。
バス停「下風呂(しもふろ)温泉」は、風間浦(かざまうら)村にある温泉郷です。写真は村営温泉施設の「海峡の湯」。
昭和の文豪・井上靖(『天平の甍』『蒼き狼』など作品多数)が、この地を舞台にした『海峡』という小説を書いた部屋も再現されているのだとか。
火山活動によって、下北半島には恐山温泉以外にも、温泉が点在しているようでした。
マグロ一本釣りで有名な大間崎を通過
さらにバスは、どんどん海岸線を走ります。
やがて、漁港らしき光景も見えてきました。
番屋のような建物もあります。
大間町に入ったのかな?と思っていたら
このモニュメント! マグロの一本釣りで有名な(一本釣りを表現したモニュメントらしい)
大間崎です!
本州最北端の地を通っています!
大間にも、斗南(となみ)藩の資料館が!
「リビングキムラ」2階が資料館だそうです。
大間漁港や
明朝乗船する津軽海峡フェリー大間ターミナルを過ぎ、さらに20分ほど走ってようやく佐井港に到着です。2時間のバス旅は少しハードだったけれど、車窓からの景色が面白かったので、とてもいい経験になりました。
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