教科書に載っていない謎の古代山城「鬼ノ城」(前編) ビジターセンターから城壁を巡ろう

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2023年3月4日(土)、岡山市を出発し、総社市にある「鬼ノ城(きのじょう)」を訪れました。

鬼ノ城ビジターセンターの展示室

おかやまハレ旅応援割クーポン(ただし紙クーポンのみ)3,000円分と小銭を使い、JR総社駅から豪渓タクシーで鬼ノ城ビジターセンターを訪れた私たち。

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2023年3月16日

そもそも私は「鬼ノ城」のことをあまりよく知らず、センター前の看板を見て全体像が分かりました。

百済と倭国の連合軍が、唐と新羅の連合軍に敗北した白村江の戦(663年)の後、大和朝廷によって築かれたと思われる古代の山城なのですが、教科書には全く記載がありません。「日本100名城」にも選ばれているのだとか。

桃太郎のモデルとされた吉備津彦命(きびつひこのみこと)により退治された鬼(渡来人説もある)の温羅(うら)が拠点とした場所とも伝わります。

吉備津彦命が本陣を構えた吉備津神社とも近そうです。吉備津の「津」は港という意味だけど、築城時と思われる7世紀には、本当に海岸部だったことがわかりました。

展示室には、鬼ノ城の模型やパネル、出土品などがあり、これから歩くコースの全体もわかります。

城門(西門)の模型は2種類展示してあり

復元するにあたって様々な考えがあったことを示しているそうです。

見どころのポイントはパネルで詳しく説明されているし、耳慣れない建築用語も優しく解説されているので、トイレ利用(これは必ず!)や水分補給だけでなく、鬼ノ城の予習も兼ねて訪れることをお勧めします。

2.8kmの城壁沿いを歩こう! 西門は見どころいっぱい

ビジターセンターからまず訪れたのが、学習広場の展望デッキ。

ここからは、ビジターセンターにも復元模型がある西門がよく見えました。

模型のうち、下の写真が採用された案だったようです。

眼下には、総社の平野部がよく見えます。もう少しよく晴れていたら、海が見えたかもしれません。

西門が近づいてきました。

近づいてみると、こんな感じで復元されています。3階部分の外壁に並べられているのは、古代の盾。

ビジターセンターにも、復元された盾が展示されていました。『鎌倉殿の13人』で見た盾(シンプルな「板」)と全く違って装飾豊かで、防具であるとともに、呪術的なアイテムという感じがしました。

2階部分に登ってみたかったのですが、どうやら登れないみたい。

ここからの景色も素晴らしかった!

最初に訪れた展望デッキがよく見えます!

お城なら石垣!と思いがちですが、鬼ノ城は「土塁」が中心。高さは6mもあるのだとか。すごい迫力。石垣よりも上りにくそう。

しかも、崩れる様子も観察されているのですね。

城壁に沿って、敷石も置かれていました。兵士が歩くのに便利だからかなと思っていたのですが、

実は雨水等が城壁を壊すのを防ぐことを目的としたもののようです。幅1.5mある敷石ですが、日本にある古代山城のうち、敷石があるのは鬼ノ城だけらしいです。

一説には、この城はこの土地に定着していた朝鮮系の人たちが動員されて築かれたとか。だから、他の地域にない独特の技術が使われたのでしょうか。桃太郎伝説の鬼・温羅にも渡来人説がありました。関連があるのかな?

山頂はまだまだ遥か彼方に

そこからしばらく歩くと

南門跡。

この辺りから見た景色です。低い山は古墳かな?

高い山がないので、海から接近する外敵を見張るには、確かにいい場所のようですね。

そして「内部列石」という耳慣れない言葉。岩を割って作った切石を配列し

その上に土を強く突き固めて(版築)土塁を築くというもの。神籠石(こうごいし)式山城の特徴だそうです。

眼下には、鬼ノ城ゴルフクラブのコース。

そして遥か彼方に、小さく見えた山の上の石垣! どうやらあそこが目指す山頂。私たちは、山の7~9合目の外周をぐるりと回っているため、かなり歩いたように思ったのですが、まだまだでした。山頂に行く途中にも山頂にも、面白いものはたくさんあったのですが、それはまた次回にご紹介しましょう。どうかお楽しみに。

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