下立売通の老舗・山中油店
2024年1月27日(土)、NHK大河ドラマ『光る君へ』の主要舞台の1つである、平安時代の御所の跡を探してみました。
その時に驚いたのが、一部の後宮(弘徽殿や承香殿)跡が「京町屋の宿」として、一棟貸切の宿泊施設になっていたこと。そしてその町屋に「山中油店」という看板が掲げられていたことでした。
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多分この町屋の持ち主だと思ったのですが、それにしてもかなりの地主かも。一体「山中油店」って何者なんだろう?と思っていたら
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御所の紫宸殿(ししんでん)跡を探しているときに、偶然この建物を発見!
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もしや!と思って近づいてみると、このような大鍋や油を注ぐじょうごなどがあり
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このような老舗らしいのれんが!
ここが「山中油店」だったのでした。この「下立売通(しもたちうりどおり)」は、江戸時代から京都の商業の中心だった場所ですが
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そのシンボル的な存在になっているようです。京都の町屋は「うなぎの寝床」とよく言われますが、その観念を覆すような間口の広さ! どこまでいっても「山中油店」。
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何と、水車まで回っています。
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平安時代の御所の施設である一本御書所(いっぽんごしょどころ)は、この場所にあったそう。
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調べてみると、江戸時代後期の文政年間(1818-1830)の創業で、油専門店として200年の歴史がある店でした。
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江戸時代からの繁栄がしのばれる建物です。
伝統を感じさせる店内で、お土産の一品を
創業当時の面影を残す建物は、国の登録有形文化財であり、京都市の重要景観建造物でした。
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ちょっと緊張しますが、勇気を出して店内へ。
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外から見えた大鍋は、菜種油を作るときに使った炒り鍋。
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店の中には建物の模型があったり、土間(どま)を残しているなど、伝統を感じさせます。
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そして、商品のほとんどが瓶で売られているのにもびっくり! 国内外から品質の高い油を取り寄せているそうです。現在では油の専門店は数少なくなってしまったようですが、専門店の名に恥じないものを売りたいという心意気が感じられました。
何を買えばいいか迷っている私たちに、店員さんが勧めてくれたのが、琥珀色が美しい玉締めしぼり胡麻油。450g瓶で1,674円と高級品ですが、夫が思い切って購入。店員さんに教えてもらった通り、冷奴に塩とこの油をかけてみると、まるで高級ごま豆腐のような美味しさ! 香りも良くて味も申し分なし。やっぱり品質のいいものは素晴らしい!と日々実感しています。
西陣に空襲があった
山中油店の店頭に、不思議な物体がありました。
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よく見ると、1945(昭和20)年6月26日、西陣で空襲があり、山中油店の家にもこの爆弾の破片が落ちてきたのだとか。
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偶然通りかかったこの近くの民家でも、西陣の空襲についてびっしりと、手作りの資料が掲示されていてびっくり。
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古い新聞記事など、生々しい資料もありました。
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京都にも空襲があったと、通りすがりの観光客にこれらの資料は訴えかけていたのでした。調べてみると、京都も何度も空襲被害を受けています(詳しくはこちら)。これらの資料に気が付かなかったら、ずっと知らなかったまま。いい勉強になりました。
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