上田高校と蚕都の面影 真田一族と『サマーウォーズ』の足跡を訪ねて

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日本一格式高い校門 長野県上田高校

昨日放映された『サマーウォーズ』テレビ版ではまたまたカットされていましたが、陣内(じんのうち)家の了平くんは上田高校野球部でエース投手。

甲子園を賭けた試合で頑張っている(その間に他の家族は、ラブマシーンとの戦いに頑張っている)という設定でした。

その上田高校は、上田藩の藩主屋敷跡に建てられていて、校門は上田藩主居館表御門です。

周囲には堀も残されていて、門、塀、堀はともに上田市の文化財に指定されています。

門は焼失した後の再建ですが、堀と土塁は真田信之時代からのものだとか。

伝統校なので立派な同窓会館もあり、訪れた時は室内楽班(上田高校では、クラブ活動を「班活動」と呼んでいます)の練習している音色が聞こえていました。

前述の『サマーウォーズ』関係の文でも、了平くんは正しくは、上田高校硬式野球班に所属していると書くべきだったのです。

塀や堀はどこまで続くのかと見ていくと、最後はこうなっていました。

こちら側から見ると普通の高校ですが、この学校の敷地が真田信之の時代から、ずっと藩主の屋敷跡だったのだと考えると、本当にうらやましい。

近くには、藩校の明倫堂跡の石碑もあり、跡地には上田市立第二中学校が設置されていました。

池波正太郎真田太平記館

『サマーウォーズ』には出てきませんが、真田ファンなら、池波正太郎真田太平記館は外せない場所かもしれません。

大河ドラマ『真田丸』が放映される前年(2015年5月)に上田市を訪れたため、やはりまだ、真田といえば池波正太郎の『真田太平記』の印象は強かったのです。

館内には池波正太郎コーナーや真田太平記のコーナー(取材ノートや年表、関連作品なども紹介されています)の他、忍者について子供にもわかりやすく紹介している忍忍洞もあって、面白いです。

迫力ある風間完氏の挿絵原画ギャラリーや、シアターの映像作品を見たりしていると、あっという間に時間が経ってしまいました。

記念館の前には、猿飛佐助の像もありました。

上田の町のあちこちに真田十勇士の像があり、この時はすべて見つけることはできませんでした。

蚕都上田館

明治~昭和前半の上田市は養蚕や製糸業で繁栄し、「蚕都(さんと)」と呼ばれるようになりました。

『サマーウォーズ』の陣内家も、生糸工場や問屋、山を持っていたとされているので、製糸業で繁栄した旧家なのでしょう。

その上田の繁栄を偲ばせる建物の1つが、蚕都上田館という、白と赤が美しい洋館建築。

1915(大正4)年、上田男子小学校(現在の上田市立清明小学校)の明治記念館として建てられた、旧上田市立図書館です。

築100年の古い建物で耐震性の問題があることから、2015年5月10日を最後に閉館することとなりました。

私達は、閉館の5日前にその前を通りましたが、中には入りませんでした。

もったいないことをしました。

大正モダニズムのみすゞ飴本舗

長野県の土産物として人気のあるみすゞ飴ですが、みすゞ飴本舗上田本店も、蚕都上田市の繁栄をほうふつとさせる素晴らしい建物でした。

1924(大正13)年の木造建築ですが、外壁に「石目地」と呼ばれる表面をざらざらに仕上げる壁塗りをしているため、まるで石造りの建物のように見えます。

和洋折衷の時代だった大正モダニズムをよく表しているとして、2007(平成19)年に登録有形文化財となりました。

店内も、とてもレトロで素敵な雰囲気。

訪れた時には、大河ドラマ放映を翌年に控え、早くも真田幸村(信繁)の娘・阿梅(おうめ)にちなんだ商品が販売されていました。

史実では高梨内記の娘(きりちゃん)が母親だそうですが、ドラマでは大谷刑部吉継の娘(春)が母親になっていましたね。

というわけで、みすゞ飴の「うめ」です。

この近くには、明治から大正にかけた活躍した名女優・松居須磨子の養家跡もあり、真田一族や『サマーウォーズ』のイメージが強かった上田市ですが、大正ロマンの香りもする街だなと思えました。

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