能登金剛から海岸線を北上  機具岩・世界一長いベンチ・ヤセの断崖

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機具岩は能登の「夫婦岩」

2021年6月、初めて能登半島を観光する機会がありました。

車を持っていないし運転もできない私たちは、今回タクシーを使って、能登半島の有名観光地を巡ります。まず最初に訪れたのが、能登金剛(のとこんごう)の巌門(がんもん)。

奇岩や断崖が美しい能登金剛(後編)  磯から見た巌門と、松本清張歌碑

2023年10月27日

奇岩や断崖が美しい能登金剛(前編)  展望台から見た鷹の巣岩と巌門

2023年10月26日

私たちはそこからさらに北上し、機具岩(はたごいわ)を車中から見学。

能登の地に織物の業を広めた鹿島郡能登比咩神社の祭神、渟名木入比咩命(ぬなきいりひめのみこと)が織機を背負って山越えの折、途中で山賊に遭い、思わず織機を海中に投げたところ忽然としてそれが岩に変じたと言われています。機織りの道具のような岩々があるということですが、そもそも機織りの道具を知らない(汗)。

関西人なので、伊勢(三重県)の「二見ヶ浦の夫婦岩」は初日の出の名所としても有名でなじみ深いのですが、機具岩は、まるで伊勢の夫婦岩のようでした。ちなみに大きい岩の方が「女岩」だそうです。

初めて見た「間垣」と世界一長いベンチ

もう1つ車中から見学できたのが、能登半島の海沿いの集落で見られる「間垣」(まがき)です。

高さ約5mの竹を割ったものを隙間なく並べた垣根のことで、冬は日本海から吹きつける季節風から家屋を守り、夏は暑い西日をさえぎるなどの効果があるとか。冬の日本海って本当に風が強いイメージがあります。

さらに走ると、断崖絶壁や奇岩とは全く趣の違う名所がありました。

「世界一長いベンチ」です。増穂浦海岸にある、全長460.9メートルのベンチ。

駐車場から階段を上っていくと

浜辺にありました!

いったい何人座れるんだろう?

この辺りは「サンセットヒルイン増穂」と呼ばれる夕日の名所。「日本海に沈む夕日を見てほしい」という地元住民の思いを受けて、1987(昭和62)年に延べ830人のボランティアの手で作られたそうです。

『岸壁の母』のモデルとなった女性・端野いせさんが、この地出身ということで建てられた歌碑(中央)。『岸壁の母』といえば舞鶴をまず思い浮かべるのですが、思わぬところで歌碑を見ました。その隣のピンクの歌碑は、俵万智さんの歌碑です(桜貝の淡きピンクを一身に 集めて立てり浜の少女は)。

昔とは違う姿の「ヤセの断崖」

そこからタクシーで20分ほど北上したところにあるのが

能登金剛の一部である「ヤセの断崖」。

1961年の映画『ゼロの焦点』(松本清張原作 野村芳太郎監督)のラストシーンで、

主人公と犯人が対峙する崖のロケ地だそうです。案内板の白い紙にも(昔の写真を隠している?)そのことが書かれていました。

2007年の能登半島地震によって崖の先端部分が崩落し、現在も先端は立ち入り禁止。

昔の姿はこちらをご覧ください。高さ35mの断崖で、断崖から崖下を除くと「身がやせる思いがする」ことなどが名前の由来とされているそうです。

今は安全な遊歩道から、少し離れた崖の写真しか撮れません。

水平線は美しい!

遊歩道の柵は、その気になれば乗り越えられそうなもの。

ここから徒歩で、「義経の舟隠し」と呼ばれる場所にも行けるそうですが、今回は限られた時間で他にも行く場所がたくさんあるので、断念せざるを得ませんでした。

遠くにも、よく見ると崖がたくさんあります。

断崖手前には「不苦労(ふくろう)のベンチ」。映画のラストシーン同様、ここで身を投げる人がいるため、思いとどまるようにと設置されたそう。今も抑止効果を発揮し続けてくれたらいいですね。

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